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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第18章 代わり映えのない日々に花束を




視界が滲んでいても、それが何なのかはっきりと分かった。
返事はもちろん決まっている…


「…ぐすっ…はい、喜んで…!」


堪えきれない涙が頬を伝う。
それでも、嬉しくて嬉しくて泣きながら何度も頷く。
そんな私を大好きな匂いが優しく包み込み。


「陽奈子…ありがとう。今まで以上に君を幸せにすると誓う。これからも俺の隣で笑っていてくれ!」

「うわぁ~!きょっ、じゅろっ…わ、たしっ、嬉しい…ぐずっ」

「あぁ。俺もとても嬉しい…」


嬉し泣きで泣きじゃくる私の背中を優しく撫でる手が温かい…
そっと顎を掴まれ、視線が絡み合う。


「陽奈子、愛している…」


その言葉がじんわりと心の奥まで溶かされそうになる。そっと目蓋を閉じると、唇が重ねられた。





暫くして、杏寿郎の胸ポケットにガーベラではない花が刺さっていることに気付いた。
それは私が一番、花の中で大好きだと言っていたものだ。


「杏寿郎、もしかして、これも…?」

「うむ!ガーベラも好きだと聞いていたが、君にはこれが一番よく似合う…」


そう言って私の髪へ触れると、片耳へ髪を掛ける。
そして胸ポケットにお日様のように大きく咲いている花を耳へすっと刺す。


「このヒマワリのように笑う、君の笑顔をこれからもずっと見つめていたい…」

「っ…私もこのお日様のような笑顔が大好き!杏寿郎…私も、愛しています…」


そして再びキスを交わす。

きっと、いつか…私達を祝福してくれる人達に見守られる日が来るだろう。
そう思い描きながら、長い長い口付けに誓い合うように…







チャペルから出ると、いるはずのないメンバーが勢揃いで私達を出迎えてくれた。


「「「おめでとう!!」」」

「わっ!?え!?皆仕事じゃ…」


宇髄さん、まきをさんはここまで送ってくれたから、いるのは分かるけど、花束を渡してくれた皆が勢揃いしていた。

それに綾ちゃんまで…!


「陽奈子~!よかったね…ぅ、ぐずっ」

「ちょっと、綾ちゃん泣かないでよ~!」


私に抱き付くようにして、ボロボロと泣く綾ちゃんに釣られて泣いてしまう。


それを皆が微笑ましそうに見つめている。


幸せ…

本当に、幸せでいっぱい。

これからもこの瞬間を大事にしていきたい。
杏寿郎と、たくさん笑い合いたい…

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