第17章 海と夏祭り *
「どうしたの?」
「やっべー…俺、携帯落としてきたわ…」
「え!?うそ、何処で?」
「多分、さっきの屋台で買った時だと思う…」
そんな会話が聞こえてくると、そのカップルは落としてきた携帯を探しに行ってしまった。
「はぁ…も、もう!杏寿郎!?」
「ハハッ!すまない、ついな?」
「もー…どうなるかと思ったよ…心臓止まるかと思ったじゃん…」
合わせを直しながら、俺をジロリと睨んでくる。
顔を赤らめながら瞳を潤ませて睨んでも、全く怖くはない。寧ろ、可愛く思ってしまう。
「君が可愛い過ぎるから、ついやり過ぎてしまった…すまない。だが、どうにも止められない…続きを、してもいいだろうか?」
そう聞くと少し唇を尖らせながら、そっぽを向いてしまった。そっぽを向いた方を追いかけるように陽奈子の顔を覗き込む。
「駄目、か…?」
「っ!…だっ、だから、もう!その顔は止めてよ!…そんな顔されたら、断れないじゃん…」
少し眉を下げて、覗き込む。
陽奈子がこの顔に弱いのはよく知っている。
このタイミングで、それを使う俺は卑怯だと思うが、仕方がない。今すぐに、と君を求めてしまっているから…
陽奈子を立たせ、側の巨木にもたれ掛かせる。
啄むようなキスをして、そのキスを頬から耳、首筋へと徐々にずらしていく。
鎖骨辺りに来ると、少しだけ合わせを開き、くっきりと浮かんでいる形の綺麗な鎖骨をペロリと舐め上げる。
「ひゃっ!…んっ、ふぁっ…」
「浴衣をあまり崩すわけにはいかんな…」
着崩したい気持ちもあるが、帰る時が困ってしまうだろう。だから、あまり崩さないように気を付けなければならない…
そんな事にも気を配りつつ、合わせから手を入れて吸い付きのいい小ぶりの胸をやわやわと揉みしだく。
フニフニと揉みながら、ピンッとしている"突起"を指先で転がせてやると鼻に掛かった甘い声が小さく漏れる。
「んんっ!…あっ……ん、やぁ…」
胸への刺激をしながら、下の合わせの隙間から手を滑り込ませる。ツッと太腿を指先でなぞると、陽奈子の身体がビクッと跳ねる。