第17章 海と夏祭り *
その水着は淡いピンクと水色のグラデーションになっていて、きめ細かい色白の肌によく似合う。
それだけなのに、つい身体がカッと熱くなる。
夏の熱さのせいだろうか…
いや、これは紛れもない、陽奈子のせいだ。
「きょ、…きょじゅろ…も、恥ずかしいからっ」
「君が見せたいと言ったんだろう?よく似合っている、可愛い…今すぐ抱きたいくらいだ」
「そっ、それはダメ!!こんな所じゃダメだよ…」
「それはここでなければ、いいと言うことだな?好きなだけ、その姿を見せてくれる…そう受け取るが、いいのか?」
そう耳元で囁くと、顔から湯煙が出そうな程、耳まで真っ赤になる。
その姿が愛おしくて、可愛くて堪らない。
再び唇を奪い、頬、耳、首筋へとキスを落としていく。
「んっ…ぁ…きょ、…じゅろ…」
「はぁ…陽奈子…」
あちこちキスを落としながら、スルリと肩からラッシュガードを下ろす。すると白い綺麗な肌が更に露になった。
その肌に吸い寄せられるように、カプッとかぶり付いて赤い痕を散りばめていく。
「ん、やっ…そんなとこ付けたら…見えちゃ、う…」
「あぁ、そうだったな。これでは見られてしまうな?困ったものだ…」
わざとらしくそんな事を言ってみるが、本心ではこれを着ていて欲しいと思うから…誰にもこの素肌を見せたくない、見ていいのは俺だけ、と。またそんな独占欲が出てきてしまう。
そう思ってしまうから、どうしても痕を付けたくなる。
「も…杏寿郎…流石に、これ以上付けたら…ぁ、ダメだって…」
駄目だと何度も言いながらも、時々小さく嬌声を漏らしながら全く拒む気配はない。だからと言ってこれ以上は流石に…何とか落ち着かなくては…。
自分からしたことだが、これ以上は耐え難いものがある。
名残を惜しむようにジッパーを上げようと手を掛ける。
すると急に後ろから声がして、2人ともビクリッと身体が跳ねた。