第2章 好きの違い
「うーん、この体制きついな…あ、わかった杏寿郎!脱いで?」
「よ、よもや!!!いや、陽奈子。本当にもういいから、もうこれ以上はやめてくれ!」
「だめ!早くしないと落ちるものも落ちなくなっちゃう!ほら、早くしーてーー!!」
無理やり服を脱がそうとする陽奈子とそれを阻止しようと必死の杏寿郎。
「杏寿郎ー!大人しくしてよー!!」
そう叫んだ時だった。
「きゃー♡陽奈子ちゃんたら大胆ね♡もう煉獄さんとそんな仲に…!」
「さすがにお店はよくありませんよ?そういうことは一目に付かないところでしましょうね?」
「派手にやってんなー!ニヤニヤ」
「人の店で何をやっている、お前たちは。出禁だ。」
陽奈子が後ろを向くと、なぜか皆大集合。
「違うと言っているだろう!誤解だ!」
「…?」
陽奈子は改めて冷静にこの状況を把握する。
「…っ!?え、や、ごごめん!ホントにごめんなさい!杏寿郎を襲うつもりはなかったの!!」
状況を把握すると一気に顔に熱が集まる。
「ごめんね、杏寿郎…染みに夢中になっちゃって、こ、こんな…こと…」
恥ずかしさに俯いてしまう。
「…う、うむ!そんなに気にするな!染みを落とそうと必死にしてくれていたこと、感謝する!だが、あれはもう勘弁してくれ…」
と、思い出すと杏寿郎は赤くなった顔を片手で覆う。
「(穴があったら…入りたい……)ごめん…あ!でも、クリーニングに出せば落ちるから!!えっと、義勇さん!何か着替え借りてもいいかな?」
そう言うと義勇さんに着替えを貸してもらい、杏寿郎に着替えるよう差し出す。
杏寿郎は「いい!」と断るが、頑固ものの陽奈子の押しに負けてしぶしぶ着替える。
「クリーニング帰ってきたらちゃんと渡すね?義勇さんから借りたのもちゃんと洗って返すから!」
そして、事件?後に歓迎会を仕切り直してすることとなったのだ。
「そろそろお開きにしたいと思います。皆さんありがとうございました!」
しのぶちゃんの一声で会が終わりを告げた。
「タクシーに乗る方いらっしゃいますかー?」
「おぅ!不死川送ってくから1台呼んでくれ!」
宇随さんは眠っている不死川さんを担ぐ。
あの事件の種を撒いたのはこの人だ。
その等の本人は始めにハイピッチで飲み過ぎ、潰れてしまっていたのだ。