第16章 約束の花と罰ゲーム *
~煉獄side~
実は数日前、宇髄からとても興味深いことを聞いた。
出張先で、介抱した女が思い出話をしていた時のこと。
俺はその時、陽奈子に電話をするために席を外していたんだが…
『罰ゲーム付きの勝負で、とんでもない罰ゲームだったらしいぜ?』
その罰ゲームの為に、この間ネットで頼んでいたものが今日届いたので、早速してみたくなった。
いや、俺が見てみたかった。
陽奈子のその姿を……
届いた包みを開けると、中から薄ピンク色のフリルがあしらわれたエプロンが顔を出す。
「エプロン?これを着て、お夕飯の支度して欲しいってこと?なんだ、全然罰ゲームじゃな」
「君は何か勘違いをしているようだな?確かにこれを着て欲しいとは思っている」
「それじゃ私の言ったことは間違ってないんじゃ…」
俺がして欲しいのは、そんな事ではない。
いや、これを着てキッチンに立つ陽奈子を想像するとそれはもう可愛くて仕方がないのだろうとは思う。
が、今日はそうではない。
「俺が言いたいのは、これを着て欲しい……是非とも裸で!!」
溌剌と趣旨を伝えると、固まって動かなくなる。
あまりにもストレートに伝えすぎたか…?
そう思っていると、みるみる陽奈子の顔は真っ赤になって、湯気が出そうな程だった。
「なななな、何言ってるの!?そ、そんなの無理に決まってるじゃん!!」
「むぅ…、罰ゲームだろう?それはきちんとやって貰わねば勝負した意味がないだろう?」
そう言うと「卑怯物…変態…えっち…」と三拍子が揃った言葉を口にして、顔を手で覆って隠してしまう。
「嫌か…?君のその姿を目に焼き付けたいのだが、どうしても駄目だろうか…?」
「わ、わかったよ…でも!絶対に変なことしないでよね?!見るだけ…見るだけなら、してあげます!罰ゲームだもん!!」
腹を括ったのか、俺が持っているエプロンをガサッと奪って別室へと行ってしまった。
ここで着替えて貰ってもよかったのだが…
いや、それは欲張り過ぎか。折角承諾してくれたんだ、楽しみに待つとしよう。
それにしても俺は本当に、陽奈子の言う通り変態なのかも知れんな…
それでも、やはり見てみたいものは見てみたい。
これはきっと男なら誰しもが思うことだろう…