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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第16章 約束の花と罰ゲーム *




「あんまり見ないでよ…恥ずかしいから。」

「先程は恥ずかしいとは言わなかったのに、これは恥ずかしいと思うのか?」


そう聞くとふぃっと顔を反らす。
その照れている表情が堪らなく可愛くなってしまって、後頭部を引き寄せると口付けた。


「なっ…!ほ、ほら!人いるから!!」


ちらほらと土手には犬の散歩やジョギングをしている人達がいる。


「別に構わんだろう?……見せつけてやるといい。」

「もー、またそんなこと言って…今だけだからね?」


恥ずかしがりながらも、どこか嬉しそうにしている陽奈子に再びキスをする。
今度は深く。甘い時間を過ごす、この幸せを感じながら…





暫くそこで幸せな時間を過ごし、再びその辺を歩く。
歩いている間も、俺の作った花冠をずっと頭に乗せたまま、陽奈子はずっと上機嫌だ。
その横顔を見つめているだけで、とても幸せだ。


「そう言えば、杏寿郎のお母さんがこれの作り方教えてくれたって言ってたけど、男の子にそんなこと教えるなんて珍しいんじゃない?」

「そうだろう?だが、それには深い意味が込められていてな…」


母上がなぜ、俺にそんなことを教えたのか。
俺もその時は理解出来なかったが、今ならその意味がよく分かる。


「父上がプロポーズをした時にこの花冠を母上に贈ったそうだ…すごく不恰好な花冠だったらしいが、それでも母上の為に一生懸命作って想いを告げた。その時母上は『この人と一生添い遂げたい』そう思ったそうだ!だから…」


陽奈子の手を取って、その瞳をじっと見つめる。


「この花冠を君に贈ったのは…そんな意味も込めている」



『いつか、杏寿郎にも守りたい、大切にしたいと思う女性が現れたら、その人にもこれを贈ってあげて欲しい…』



あの時の母上の優しい眼差しが、陽奈子と重なる。
握った左手を返し、薬指にそっと口付ける。


「まだその時は取って置きたい。だから今は予約…とでも言おうか。ここはその時のために開けておいてくれるか?」

「…っ、勿論だよ!!予約なんてしなくても、ここは杏寿郎の為に開けておく…待ってるから」


そう言って愛らしく微笑む陽奈子を抱き締める。

いつか、必ず…君に永遠の愛を誓おう。
その時が来るまでは、この花言葉で俺の想いを受け取って欲しい…

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