第16章 約束の花と罰ゲーム *
~煉獄side~
マーガレットで作ったそれを陽奈子に差し出すと、幼子のように嬉しそうに笑う。
「うわぁ!花冠だ!!すごいね?こんなのも作れちゃうなんて…」
「俺が幼い頃、よく母上が作ってくれたんだ。千寿郎と俺に作り方を教えてくれてな…忘れていたと思ったが、案外覚えているものだな!」
そう言って陽奈子の頭に作った花冠を被せてやると、また嬉しそうに笑った。
「ありがとう!似合うかな?」
「うむ!よく似合っているぞ。…陽奈子、マーガレットの花言葉は知っているか?」
「花言葉…?うぅ~ん、わかんないや…」
そう首を傾げている陽奈子の頬に手を添えて、その瞳を見つめる。
「マーガレットの花言葉は『真実の愛、信頼』だ。」
「真実の、愛…と、信頼?」
「あぁ。君を不安にさせてしまったあの時、俺は君への想いを伝えきれていないと思った。だから、形にして伝えたい、君への愛は真実だと」
そう伝えると陽奈子の瞳は大きく揺れる。
「それと…左手を貸してくれるか?」
陽奈子の小さな左手にそっと触れると、側にあったシロツメクサを1本摘む。
それを薬指に絡めてやる。
「シロツメクサの花言葉は『約束』だ。君をこれからも愛し続けると約束しよう。どんなことがあっても、俺の気持ちはこれからも変わらないと!」
「杏寿郎っ…ありがとう、嬉しい…」
陽奈子の瞳がまた大きく揺れる。
再び頬を包み込むとそっと唇を重ねた。
「ふふっ、誰かに見られちゃったかもね?」
「珍しいな、いつもなら恥ずかしがるところだが…」
「今のはいーのっ!嬉しかったから」
そう笑い合って、互いを抱き締め合う。
幸せを感じて…
暫く辺りを散策すると、寝転ぶに良さそうな場所があった。
そこに腰を下ろして、2人で寝転ぶ。
「はぁ~!気持ちいいね…」
「あぁ、そうだな。陽奈子、一つ俺の願いを聞き入れてはくれないか?」
起き上がって「なあに?」と不思議そうにこちらを見つめる。
「膝枕をして欲しい。いいか?」
そう言うと少し頬を染めながら、こくりと頷く。
柔らかい太股に頭を預け、下から陽奈子を見上げる。