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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第16章 約束の花と罰ゲーム *





この先を少しだけ期待して、甘い余韻に浸っていると、杏寿郎が口角を上げてこちらを見ている。


「どうした、陽奈子。続きを…期待したのか?」

「なっ!?もう、意地悪なんだから!」

「俺はいつでもいいぞ?君が求めてくれるのは嬉しいからな!」



どうしてこう恥ずかしいことを、あさっぱらからさらっと言えるんだろう。と恥ずかしさで布団を被って潜ると、一気に引き剥がされる。


「ほら!今日は折角2人とも休みなんだ。たまにはのんびりと散歩にでも行かないか?天気もとてもいいぞ!」


杏寿郎がカーテンを開けると、眩しい程の朝日が部屋に入ってくる。


「眩しっ…本当だ、いい天気。散歩もたまにはいいね!」

「よし、そうと決まれば支度をして早く出掛けよう!朝は空気が清んでいて気持ちがいいからな!昨日ジョギングをしていて、いいところを見つけたんだ。今日は陽奈子をそこに連れていきたい!」


杏寿郎の日課のジョギングは、いつもは夕方に行っていたけど、最近じゃ朝に行くことが増えていた。
どこに連れていってくれるのか、とても楽しみだ。






家から歩いて暫くすると、川の土手までやって来た。


「こんなところあったんだね。知らなかった…」


ザァーと風が吹いて、草が揺れる。
その心地よさにぼうっとしていると、杏寿郎に手を引かれた。


「陽奈子、こっちだ!」


手を引かれ、その土手を降りていくと目の前に飛び込んできた風景に驚く。


「わぁー!!すごい!!綺麗…」

「そうだろう?どうしても君をここに連れてきたくてな。気に入って貰えたか?」


私の目の前にはたくさんのマーガレットやシロツメクサが咲いている。
花は好き。眺めているだけで癒される。


「うん!ありがとう、気に入っちゃった!」


そう言って、子供の頃に戻ったかのように一気に駆け出して花に触れる。


「綺麗…杏寿郎、連れてきてくれてありがとう!嬉しい!」

「そう言って貰えて、俺も嬉しいぞ!君に渡したいものがある。少し待っていてくれ…」


すると、杏寿郎がマーガレットを1本ずつ摘んで、何かを作り始めた。
少しして、出来上がったそれを私の前に差し出す。



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