第16章 約束の花と罰ゲーム *
~夢主side~
杏寿郎とはじめての喧嘩をしてから一週間。
今日は2人ともオフで、一日中一緒にいられると思うだけで心が踊る。
浮かれていたせいか、杏寿郎より早く目が覚めてしまった。
隣で規則正しい寝息を立てて眠っている顔を見ると、つい頬が綻んでしまう…
起こさないように、そっとキスをしてベッドから降り……ようとしたのも束の間。
ぐいっと、腕を捕まれたかと思うとそのまま視界が反転して、押し倒されてた。
「杏寿郎?!お、起きてたの?」
「君が起きる前からな。それで?さっきのキスは…したいと言うことと、受け取っていいのだな?朝から大胆だな、君は。勿論、喜んで相手をしよう…」
不適に笑みを浮かべたかと思うと、首筋に顔を埋める。
「ひゃっ…ちょ、と!違うってば!」
「むぅ…何が違うのだ?」
杏寿郎の顔を押し返して、引き離そうとするとすごく不服そうな表情。
「寝顔が…綺麗だったから、つい。」
「綺麗?それを言うなら君の寝顔の方が綺麗だと思うが…いや、可愛いの方が合っているな!」
「可愛いって…変な顔してなかったか不安なんだけど…」
眠っているとき程、気が緩んでることはないだろうし…寝言、言ってなかった心配なんだけど。
不安そうにしていると、クツクツと笑い始める杏寿郎。
「なっ!?やっぱり変な顔してたんじゃ…!」
「いや、すまない…くくっ…君があまりにも可愛くて…」
「だから変な顔ってことでしょ?!」
どうせ私の顔が面白かったからだ。そう思い込んでたら、額に唇が触れる。
「可愛いから、可愛いと素直に言っただけだ。君は気付いてないようだが、眠っている時にキスをすると無意識なのか微笑む。それが堪らなく愛おしいく感じる…」
そう言って柔らかく微笑むと、両手で頬を優しく包み込み、そっとキスを落とされた。
「寝込みを襲うのはよくないよ?」
「陽奈子も人のこと言えないだろう。寝た振りをしていたとは言え、キスをしてきただろう?」
「う…それは、そうなんだけど…じゃ、お互い様ってことで」
微笑み合うとまた、唇を重ね合った。
唇が離れ、頭を優しく撫でると、杏寿郎がベッドから降りてしまった。