第15章 衝突
~煉獄side~
陽奈子が俺の方に向き直ると、少し遠慮がちにきゅっと抱き締めてきた。
その温もりと、鼻を掠める陽奈子の匂いも…全部が愛おしい…答えるように抱き締め返すと、陽奈子がボソリと呟く。
「よかった…本当によかったっ…疑ったりして、ごめんなさい。私、変な誤解して、すごく悲観的なことしか考えられなくなっちゃってた…」
「君には辛い思いをさせてしまったな…すまなかった。だが、俺には君だけだぞ?こんなにも堪らなく愛おしい、そう思うのは生涯、陽奈子ただ一人だ。」
陽奈子への気持ちを真っ直ぐ伝え、腕に力を込めて更にきつく抱き締める。
それに答えて、仕事着をぎゅっと握り、頬擦りをしてくる陽奈子が本当に可愛いく愛おしい。
こんな姿を見ていると、ちょっと意地悪をしてやりたくなる。
「我妻少年とは、どういう関係か詳しく聞かせて貰おうか?答え次第では、その身体に君は誰のものなのか…教え込まなくてはならないが…どうだ?」
「なっ!!善逸くんとは本当に友達だからっ!言えなかったの…杏寿郎にどんな反応されるのか、怖くて…」
宇髄の言った通りだ。
そんなことで陽奈子への気持ちが変わることはない。
「…君はそんなことで俺が嫌いになるとでも思ったのか?それは大きな間違いだ。」
「へ…?」
耳元に唇を寄せると、いつもより低く囁く。
耳よりもさらに、奥へ。脳裏に焼き付くように…
「君は俺だけのものだ。他の誰にも渡しはしない…君の心も…この身体も…」
腰をきゅっと引き寄せて、顎に手を添えると優しく…深くキスをする。
唇で首筋をツツッとなぞると、小さく身体が弾く。
「んっ…杏寿郎!ここ、外だからっ……」
「外だから、なんだ?…見せつけてやればいい。」
そう耳元で囁けば、顔を反らして更に紅くなる。
「その愛らしい反応は、誘っているとしか思えんのだが…?今日は、今までの分を埋めさせて貰おう。駄目と言っても、聞き入れはしないからな!」
逃がさないとでも言うように口角を上げて笑うと、陽奈子は耳まで真っ赤になり、口をパクパクさせていた。
その日は遠慮することもなく、陽奈子との甘いを時間を堪能した。
勿論、手加減なんてものは無しで…