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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第15章 衝突




「なんだよ、また何かあったのか?」

「宇髄…か。実はな…」


また、タイミングがいい。悩んでいればこうやってすぐに気付いてくれる。

店まで一緒だった宇髄にあの後の事を詳しく話す。
すると、宇髄は腹を抱えて笑い出した。


「ぶっ、はははっ!!んだよ、そんなことで喧嘩したのか?」

「なっ!?そんなこととはなんだ!こっちは真剣に悩んでいると言うのに…笑うことはないだろう。」

「ひぃー、腹いてぇ…わりぃ、でもよ。確かにお前の行動は勘違いされても可笑しくはねぇわな。」


勘違いする程、俺は信用がないのか…
俺がそんなことをすると思わせてしまった、自分への不甲斐なさに、腹が立つ。
また知らず知らずのうちに陽奈子を傷付けてしまった。


「陽奈子なら、悪い方に捉えて1人で悩みそうだし。まぁ、あいつが善逸と連絡取ってたのは、先に言って欲しかっただろうけどな?隠し事されんのは誰だっていい気はしねぇ。けどな、あいつが隠したくて言わなかったんじゃねぇと思うんだ。お前に嫌われたらどうしようなんて考えてそうだしな…それってお互いがまだ遠慮してるってことじゃねぇの?」


煙草をふかしながら夜空を見上げる宇髄の横顔は、男の俺ですら色男だ。と見惚れるほどだ。


「遠慮…とは、どういうことだ?」


宇髄に背中をバンッと叩かれた。
少し面倒臭そうな表情をしながら、俺の疑問に答えてくれる。


「んなこともわかんねぇのか?ったく。それだけお互い本音をさらけ出せねぇ仲だっつってんだよ!」

「さらけ、出せない仲…か。俺は、いつも陽奈子に真っ直ぐ気持ちを伝えていたと思っていたが…」

「お前が伝えてるのは、好きの度合いの方だろ。それにな、あいつの行動が可笑しかったのに、問い詰めなかった時点でそれは遠慮じゃねぇのか?」


それは確かに言えている。
だが、言い出しにくいことを無理に聞き出すのはどうも気が引ける…。
無理に聞き出そうとすれば、余計に言い出しづらくなるのでは…


と、そこで気付く。
なるほど、これが遠慮と言うものか。
確かにあの場で聞き出していれば、陽奈子を責め立てるような言い方はしなかっただろう。
自分のなかで悶々とするより、きちんと本音をぶつけることも時には大切と言うことか。


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