第2章 好きの違い
「…別に、気にしちゃいねェよ。」
「(うっ、ダメだ。話が続かない…
まだ始まってもないにこれじゃ持たないよー…)」
困っていると杏寿郎が教えてくれる
「不死川は困ってる人を放って置けないのだ!こんな見た目をしているが、心は優しく思いやりのある人なのだ!あと、酒が入ると饒舌になり、熱く語り出すぞ!」
やっぱり、なんだかんだ言って根はいい人みたいだ。
「うっせェよ!いもオタクがァ!余計なこと言うんじゃねェ!」
そう言ってこっちを睨んでくる、不死川さん。
やっぱり怖い!この人が饒舌になって熱く語るところなんて想像できないよ…
「いもオタクとはなんだ!!さつまいもを侮辱するなど、許さんぞ!!」
間に陽奈子を挟み、軽い口喧嘩が始まる。
「(いや、いもオタクってわかる気もするけど、そこでそんなに怒るものなの?)」
「はい、そこまで!いい加減にして下さい!まだ始まってもないのに、口喧嘩はやめてください、ね?お二人とも」
しのぶちゃんが語尾を強めて、二人を止める。
「では、まず飲み物を決めましょう!陽奈子さんは何がいいですか?」
私の向かえに座っているので、見やすいように上下の向きを変えてメニューを見せてくれるしのぶちゃん。
「うーん、と…じゃグレープジュースで」
と、メニューを指差すと宇随さんがからかうように言ってきた。
「おいおい、お子ちゃまかー?そこはビールだろ!」
「(いや、まだ未成年だし)いくら19歳とは言え、まだお酒を飲めるまで1年ありますからね!ちゃんと守らないとだめです!」
「真面目か!!ったく、つまんねーな。1歳も2歳も変わらねーよ。あ、俺はもちろんビールジョッキで!いや、直ぐ無くなるからピッチャーでくれよ!」
そして頼んだ飲み物が来ると、乾杯の音頭をなぜか宇随さんがとる。
「おーしっ!みんな飲み物は来たな?じゃー、陽奈子のこれからの頑張りに…かんぱーい!!」
がちんっ
グラスとグラスがぶつかり合う音が響き、歓迎会が始まる。
「じゃんじゃん呑めよー!んで、いっぱい楽しめ、お前ら!!」
宇随さんはそう言うとピッチャーのビールを一気に飲み干す。
「(いややや!どんだけ喉の動き早いの!?)」
呑むスピードの早さに驚いていると、杏寿郎が「あいつはいつもこうなんだ」って教えてくれる