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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第15章 衝突




背伸びをしていると後ろから手が伸びてきて、お皿をスッと取ると義勇さんが棚に戻してくれた。


「あ、ありが…と……っ!?」


お礼を言って振り向くと、義勇さんの顔が目の前にあった。そのままじーっと私の瞳を見つめてくる。


「ぎ、義勇さんっ…ち、近いからっ」

「陽奈子…」


名前を呼ばれて片腕を掴まれた。突然の事で驚いてその手を振りほどこうとするけど、男の人の力には勝てなくて…


「義勇さ…ん…痛いよ…はな」
「何かあったのなら、話せ」

「え…べ、別に何も…」

「お前は分かりやすい。すぐに顔に出るからな。」


パッと掴まれた腕を離されると、掴まれた場所が少し痛む。


「言いたくないのなら、それでいい。だがお前がそんな顔をしているのは、放っては置けない。」


自分でも気が付かなかった。出さないようにしていたつもりでも、義勇さんにはお見通しなのか…いや、村田くんにも気付かれるくらいだ。きっと私がいくら平静を装ったとしても、隠しきれないんだろう…そんなに器用な方でもないし…


「ごめんなさい…でも大丈夫だから、気にしないで?」

「心配するのは当たり前のことだ。はぁ、全く…無理だけはするなよ?」


そう言って小さく微笑むと頭をポンとひと撫でして、またシンクへと戻って洗い物を再開し始めた。


「…ありがと、義勇さん」

「別にいい。」


こっちを向かずに手を止めるとこなく、そう一言。
本当に優しい。杏寿郎とは違ったその優しさに、胸が少しチクッと痛んだ気がした。
義勇さんの気持ちは知ってるから…。その優しさに甘えてしまったら、傷付けてしまいそうで…






洗い物が終わると義勇さんが家まで送ってくれた。


「今日はご馳走さまでした。やっぱり義勇さんのご飯はいつ食べても美味しいね!」

「それはよかった。煉獄が帰ってくるまで、寂しいと思ったらいつでも来るといい。」

「うん、ありがとう。気をつけてね?」


そう言って義勇さんを見送って、私も家に入った。
家に入ると同時に着信音が鳴り響いた。


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