第14章 ふくらみ…ふくらむ。 *
このまま挿入れてしまいたい衝動を抑えて、陽奈子を一旦引き上げて縁に座らせる。
泡が身体中に纏わりついて、とても艶かしい。
「少し待っていてくれ…」
「…ん。」
軽く口付けると避妊具を取りに行き、急ぎ足で戻る。
と、縁に座らせた筈の陽奈子はなぜか再びお湯に浸かっていた。
「すまない…寒かったか?」
「ううん…折角泡風呂なんだし、堪能したいなって思っちゃって…」
それは…このままお湯に浸かりながらしたいと言うことだろうか…本当に一度スイッチが入れば驚く程に大胆になる。
お湯に浸かると「待って」と制された。
事が理解出来ないでいると、陽奈子がまたもやとんでもないことを言い始める。
「今度は…私が、するから…そこに座って?」
「い、いいのか?」
その言葉につい嬉しくなってしまって、確認するまでもないのにそんなことを聞いてしまう。
「ん…私ばっかりじゃ、ね…?」
そう言って俺の"雄"に手を沿えると、ゆるゆると扱き始める。舌先でチロチロと"先端"を舐めながら、握った手を上下に擦る。
くちゃ…くちゅ…
「…はっ……くぅっ…ぁ…」
小さな口を開けて"先端"を呑み込むと、吸い上げるように出し入れを繰り返す。
「あぁっ……陽奈子、それはっ……うぁっ!」
「…気持ち、いい?」
紅潮した顔で俺を見上げて、髪を耳に掛ける仕草で……艶っぽい顔でそんなことを言われたら…もう抑えが利かなくなりそうだ…。
「陽奈子っ…すまない、少し我慢してくれっ!」
がしっと後頭部を掴むと、自ら腰を動かし律動を速める。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、くちゅっ
「くっ…あ!…陽奈子、もうっ!!」
「んんっ、…ふぅ…んむぅっ…っ!!」
舌の微妙なざらつきと、陽奈子の唾液が絡み付き、すぐにドクリと口内に吐き出してしまった。
「はっ…はぁっ…す、すまない…」
思わず口の中に吐精してしまったことを詫びて、吐き出すように促すと首をふるふると横に振って、こくりと嚥下する。
「飲まなくていいからっ…出しなさいと言っているのに君は…」
「私がそうしたかったから…ダメなの?」
そんな聞き方は卑怯だ…いつも陽奈子がずるいと言っていたことが少し分かった気がした。