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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第12章 緊張と白銀




~夢主side~


杏寿郎の真っ直ぐな言葉に胸がじわっと暖かくなる。
今こんなに幸せなのに、この先ももっと色んな形の幸福を感じられる日を一緒に…

お兄ちゃんとお父さん、両側からお酌されて嬉しそうな杏寿郎を見つめてそう思っていると、郁茉が……


「煉獄さん!いや、兄貴!俺…兄貴みたいに情熱的で一途な男になりたいです!どうすれば兄貴みたいになれますか!?」

「あ、兄貴って…郁茉、いきなりどしたの…?」

「俺…姉ちゃんに彼氏が出来たって知った時、正直心から喜べなかったんだ。俺のせいで…姉ちゃんまだ傷残ってるだろ…?そのせいで相手から変な目で見られて、姉ちゃんが傷つく姿見たくなくて…でも!煉獄さんはそんなこと感じさせないくらい、姉ちゃんのこと大好きなんだなってすごく伝わってきて…俺もいつか煉獄さんみたいに誰かを一途に想えるような…情熱的な男になりたいって!!」


少し頼りなさそうでずっとくっついてきた郁茉が…そんなことを言う日が来るなんて…。
杏寿郎の存在もそうだけど、人柄が郁茉の心を動かしたのか…
子供が巣立つってこんな感じだったりするのかな…離れていくような感覚に、少しだけ寂しい気持ちを感じた。


「うむ、少年!言い心がけだ!また一人弟が増えたようで嬉しいぞ!その熱意があれば十分情熱的になれるだろう!」


そう言って満足気に大きく笑うと、注がれたビールを一気に飲み干した。
こんなペースで飲んでて大丈夫かな?っと少し不安になりながらも、嬉しそうにしてる杏寿郎を見れば仕方ないか!と思うのだった。




結局、酔い潰されてしまって布団で気持ち良さそうに眠る杏寿郎を横目に、この後どうしようかと考えているとお母さんが側に座ってきた。


「ふふっ、なんだか不思議な人ね…?緋里家に一瞬にして馴染むなんて…それと陽奈子のことも変えてもらったみたいだし?」

「変わった…?そう、かもね…。杏寿郎と一緒にいるだけで、世界が全部が煌めいて見える気がするもん」

「あら、いいわねぇ。私も父さんと出会った頃はそうだったな。今は一緒にいるのが当たり前になって、ドキドキなんて殆どないけど」


杏寿郎同様、酔い潰れたお父さんに視線を移してくすりと笑うお母さんの横顔がとても綺麗だった。

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