第1章 出逢い
「その辺にしたらどォだ?糞じじィ、嫌がってんだろォが」
どすの聞いた声、そして振り向くと目付き悪いあの人がいた。
「し、しな、…ず、」
恐怖で声が思うように出せない。
すると不死川さんが席を立ち、人混みを掻き分けながら痴漢野郎の腕を捻上げる。
「っい、ててて!おい、やめろ!何するんだ!」
「やめろォ?何するんだァ?そりゃこいつの台詞だろ」
その後痴漢野郎は駅の警備員に連れていかれ、私は不死川さんのお陰でなんとか事なきを得た。
「お前、あんな入り口にいたら触ってくださいって言ってるよォなもんだぞォ?気を付け……!お、おい!!」
気付くと、恐怖と安堵で泣き出してしまった。
「うわーーー!!怖かったですー!!あんなのっ、初めてだ、…ったからー!!」
「わかったから、泣くなって!おい!俺が泣かせたと思われるだろォ!?」
不死川さんが困って焦っているところに、ちょうどしのぶちゃんがやってきた。
「あら?不死川さん、陽奈子さんに何をしたんです?ここでは一目が多いです。一旦そとに出ましょう」
駅の改札を抜けて、外に出ると不死川さんは事情を説明してくれた。
それを聞いたしのぶちゃんは陽奈子を抱き締めて落ち着かせてくれた。
「それは怖かったですね。よしよし。」
まるでお姉ちゃんのようだ。私が年上なのに…不甲斐ない。
プップー!!
クラクションが鳴る。そこには宇随さんが運転する車に煉獄さんも乗っていた。
「おい、何かあったのか?…陽奈子、お前泣いてんのか?!」
「む!?どうしたと言うのだ!何があった?!」
「とりあえず、私たちも乗せていただきましょうか。他の車の邪魔にもなりますし…」
そう言うとしのぶちゃんは私の肩を抱きながら車に乗せてくれた。
車に乗るとしのぶちゃんが事情を説明。
「よもや!そんなことが…それは怖かっただろう、大丈夫か?」
「ったく、こんな朝っぱらから派手に盛ってやがる野郎だぜ!」
「ずみまぜん…もう、大丈夫です。ありがとうございまず…」
鼻水がすごくて上手くしゃべれない。
「陽奈子さん、今日はもう帰ってください。こんなことがあった後じゃ、仕事どころではないでしょう?」
しのぶちゃんが気を遣ってそう言ってくれる。
だけど……