第1章 出逢い
「す、すみません…ありがとうございます…」
ガサッとゴミを出すと不死川さんはいつの間にか先を歩いていた。
「えぇ!?ちょ、待ってくださいよー!!」
怖いと思ってたのに、ついひき止めてしまった。
「…あ?なんだよォ?俺になんか用かァ?」
「え、っとなんでここにし、不死川さんがいたのかなって思いまして…」
それはホントに気になったこと。なぜこの人が、こんな朝からごみ袋を持っていたのか
「簡単なことだろォが。俺の家、この辺だからに決まってんだろォ」
「(OMG!!よりによってなぜこの人とご近所なの!!)そ、そそうなんですねー…よろしくお願いします…」
「…っち、それだけかよォ?俺はもう行くぞ」
そう言って不死川さんは駅に歩いていった。
「(しゃべり方とか目付き怖いけど、根はいい人なのかな…?教えてくれたし…)あ、私も行かなきゃ!電車が行っちゃう!!」
気付いたときには不死川さんはいなくなってて、私は少し息を切らしながら駅に着いた。
するとすぐに電車が来る。最後尾に並んだため、車両に乗り込むと入り口のところにぎゅうぎゅう詰めでなんとか入れた。
「(うぐぐっ…狭い。ぎゃっ!足踏まれた!!いったー、誰よ!?)」
朝だから混むことなんてわかったいたけど、昨日より早く出勤して、少しでも役に立ちたいと思って早めの電車にしたのだ。
「(失敗したかなー?でもでも、早く行けばいいことありそうだし…あ、外見える、わぁ!桜並木だ!)」
ちょうど陽奈子は外を向いて立っていたため、窓からは春の景色を見ることが出来た
「(お花見したいなー、お団子とか食べながら桜のしたでゆっくりし、た……い…?) っ!?」
違和感がある。そうお尻に。
もぞもぞと何かが上下に動く。
「(え、うそでしょ!?これって、ち、痴漢!?)」
恐怖で声が出ない、手足も動かない。
「(ど、どうしよう、ホントにこんなときって声がでないんだ…怖いっ、誰か……)っ!!」
黙ってるのを良いことに痴漢野郎の行動はエスカレートしていく。
「(ぎゃぁあっっ!な、なに!?なんか、お尻に固いやつが!!もう無理っ!助けて!!)」
恐怖で涙目になってると、座席から声がする。