第11章 鍵とサンタ ＊

俺に跨がると遠慮がちにちゅっ、ちゅっと軽く口付ける。それがなんだかもどかしくて、つい自ら深いキスをしてしまう。すると「だめ！」と制して、また啄むようなキスの嵐が降ってきた。徐々に下へ下へと、俺がいつも陽奈子にしているみたいに…どうやら俺の真似をしているようだ。それがなんだか子供の真似事のようでつい笑ってしまう。


「な、なんで笑うの？！」

「くくっ…、す、すまない。一生懸命な君が可愛くて…」

「う……そ、そんなこと言ってられるの今のうちだからね！？」


覚悟しなさい！とでも言うように今度は深い口付けへと変わっていき、首筋へと愛撫を続ける。陽奈子の手が服の下からモゾモゾと腹を伝って、決して柔らかくはない平らな胸を円を描くように触れてくる。


「…っ、……ふっ……んんっ」

「杏寿郎、気持ちいい…？」


自分でも驚いた。
男の胸の突起は特に意味を成さないものだと思っていたが、指で弄られれば鼻にかかった声が漏れた。
初めての感覚に耐えるよう口元を手で覆えばそれを陽奈子に剥がされる。


「だめ…ちゃんと杏寿郎の声、聞きたい…」

「よもや…今日は本当に立場が逆転したな……うぁっ！！」


初めて攻められる側になったことで余裕をなくした俺を更に煽るように少し固くなった突起を口に含んで転がす。その甘く痺れるような感覚につい声が漏れてしまう…男なのに、こんな変な声を出すとは情けない…それにしてもどこでこんな技を身に付けたのやら。

そんな俺に構うことなく愛撫はどんどん下へと降りていき…、既にズボン越しに腫れ上がったそこを指先でつつっとひと撫ですると「ここ、もうすごいね…」と熱を含んだ瞳で見つめてくる。
その視線にゾクリと震えた。なんとも妖艶で…
ズボンに手を掛けて、下着ごと引き下ろせばビクビクと脈を打ってそうな"雄"が飛び出した。

「う、うわ…すごいね……は、初めてだから上手く出来ないと思うけど、頑張るね？」

そう言って片手で優しく握れば、吸い付くような感触に"先走り"がじわりと滲み出た。それを舌先を使ってちろちろと小さく舐めたと思うと今度はぱくりと口内へ"雄"を咥えて、出し入れを繰り返す…
初めての快美と久方の情事とで、腰からゾクゾクと上り詰める。

「あっ…くぅ、陽奈子っ…ちょ、ちょっと待ってく、れっ…ああっ！！」