第11章 鍵とサンタ *
~煉獄side~
ミッション!と慌てて部屋を出ていった陽奈子を待っている間、酒を片手にふと思い出す。
この間街中でサンタの格好をしていた女を見掛けた…
(サンタの衣装にもスカートタイプのものがあったな…陽奈子が着たらさぞかし可愛いのだろうな……)
もわもわと頭のなかで陽奈子のサンタ姿を勝手に想像する。なかなかいいものだな、目の前で「私がプレゼント」など言われたらどうしてくれようか…、とつい良からぬことを考えてしまう。
「い、いやいや!!また俺は…ゴホン、落ち着け…」
悪い癖が出てしまった、と落ち着かせるために酒を口に含んだ。
すると部屋のドアが空いて隙間から陽奈子がひょこっと顔を出す、そして全身を見て驚いた。
「あの、杏寿郎…」
「…っぶ!!!ゴホッゴホッ……陽奈子!?そ、その格好はっ……」
先程まで考えたいた良からぬ事が的中し、目の前に飛び込んだ姿に含んだ酒を派手に吹いてしまう。「大丈夫!?」と駆け寄る陽奈子の格好は露出度が高く、色白の肌が…胸元や太ももまでもが……
「旨そうだ…」
「え、なに?」
「いや…なんでも、なくはないが。その格好は一体どうしたと言うのだ?」
そんな質問をしたところで返ってくる言葉はなんとなく分かっている。だが、言って貰いたい…
「えと……私が、プレゼント…です」
あぁ、やっぱり。
消えそうな声で聞きたかった台詞陽奈子の口から聞くと、もう理性という名の塊は完全に砕け散った。
ぐいっと後頭部を引き寄せて深く口付ける。舌先で唇を開けさせると、隙を与えずぬるっと舌を挿れて口内を掻き乱した…
「…はっ、むぅ……ふぁっ」
「はぁっ…陽奈子……陽奈子…君が欲しい…」
荒々しい口付けと共に抑えきれなくなった欲をぶつけると「プレゼントだから、貰って…?」なんて誘ってくる。
「…っ、すまない。今日は優しく出来そうにない…だから覚悟してくれ」
久しぶりの甘い感覚に酔わされて抑えが利かなくなる。身体中から沸き上がる愛と欲を満たすため、その場にとさっと押し倒せば首に腕を回して耳元で小さく囁いた。
「杏寿郎で、いっぱいにして…?」