第11章 鍵とサンタ *
~夢主side~
お酒もいい感じに回ってきたのか、なんだか身体がふわふわと軽くなる気がする…
隣で私の両親になんて挨拶しようかと悩んでる杏寿郎にこてんと頭を預けると「どうした?眠いのか?」と聞かれた。「ううん…」と一つ返事をすると瞼を閉じる。優しい声音に耳を傾けつつ、大好きな匂いを目一杯吸い込むとあることを思い出した。
「あ!!大事なミッション忘れてた…ちょ、ちょっと待っててね…!」
綾ちゃん達からのミッション?を思い出して慌てるように部屋から出ると、脱衣場に隠していた物に着替える。
「うぅっ…やっぱり寒いし、恥ずかしいなぁ…でも皆が絶対杏寿郎が喜ぶって言ってたし…よし、お酒の力を借りてってことで、いざ!」
意気込んで蜜璃ちゃんから「プレゼント♡」と貰ったキャミワンピタイプのサンタ衣装を袋から出すと、さらに小さめな可愛くラッピングされた袋が…
そこには綾ちゃんと玲愛ちゃんからのカードが付いていて目を通す。
『これ着て誘ってあげて♡男はみんな喜ぶから♡綾』
『煉獄さんを虜にして悩殺だよ♡玲愛』
と書いてある。そんなに悩殺できる程、破壊力満点のものってなんだろうと袋を開けてみて絶句した。
「下着!?しかもパンツもブラも紐って…!!そっか、こういうこと…。で、でも今日は特別な日だし、杏寿郎に喜んで貰いたいから頑張ろ!」
仕上げに上からふわふわのファーとボンボンの紐が付いたケープを羽織る。皆からもらったプレゼントを身に纏い、どんな反応をするのかな?と杏寿郎の元へ向かった。
好奇心とこの先の甘い予感で身体が火照る気がした、もちろんお酒のせいでもあるけど……