第11章 鍵とサンタ *
~夢主side~
ついに待ちに待ったこの日がやって来た。
今日は杏寿郎と2人でクリスマスを一緒に過ごせる、やっと久しぶりにゆっくり出来ると思うと1日はあっという間に過ぎて行った。
フラムと新店舗の行き来を繰り返し、気が付けばもう夕方。辺りはすっかり真っ暗になっていた。
「今日はこの辺で終わりにしよっか?」
蜜璃ちゃんにそう言われ、急いで帰り支度をしようとコートを羽織るとしのぶちゃんから着信が入った。
『と、言うわけで…今日中に業者さんが行くとおっしゃっていたので、もう少しそちらで待機しててください。』
電話を切る前にしのぶちゃんが「すみませんね」と言ってたけど、こういうこともある…仕方がないと気持ちを切り替えて業者さんを待つことに。
杏寿郎には予め「家で待ってて」と連絡を入れておいたから、心配されることはないと思う。
業者さんを待っている間、蜜璃ちゃんとまたまた恋バナで盛り上がる。それに今日、私達が会うことも知ってたから蜜璃ちゃんのきゅんきゅんは止まらなかった。
「遅いねぇ~…もうお夕飯の時間、とっくに過ぎちゃってるわ。何かあったのかしら?」
暫く話して待ってはみたものの、一向に来る気配がなかった。もう19時を過ぎていた。
するとまた着信が…
『先程連絡がありまして、業者さんが渋滞にハマってしまったようでして…そちらに着くまでには1~2時間程かかるそうです。』
「えぇ!?そんなに…」
『はい…本当は上がって頂きたいところなのですが、今日を逃すと次に業者さんがいつ来れるかわからないとのことでして…』
事情を聞いて、そういうことなら待つしかないね…そうして蜜璃ちゃんとコンビニで買ってきたご飯を食べて待つ。
私はこれから杏寿郎と食べるから少しにしたけど、蜜璃ちゃんの食べる量は相変わらずすごい。それなのにあんな体型保てるなんて…実はすごくトレーニングしてる、とか…?密かに盗み見て、自分の体型と見比べれば小さな溜め息が出た……
お店に着くと蜜璃ちゃんは私に気を使ってくれてるのか「先に帰っても大丈夫だよ?」と言ってくれたけど、やっぱりそう言うわけには行かないから「気持ちだけ受け取ってとおくね!」とお礼を言いながらサンドイッチを頬張った。