第10章 つどい
~夢主side~
女子だけのクリスマスパーティー当日。
夜、仕事を終えて私の家に皆が集まると……
「なんか…密度が!!」
一人暮らしの部屋に5人も集まれば、それはそうなるはず…座れば隣の人と肘と肘がぶつかりそう。そんな状態で、女子会ならぬクリスマスパーティーが開催された。
「じゃ、早速♡みんなこれに着替えて~♡」
「これ、可愛い~♡陽奈子ちゃんに似合いそう♡」
そういって蜜璃ちゃんと玲愛ちゃんが渡してきたもの。それは………ミニスカサンタの衣装。
「可愛いけど…私に似合う、かな…?」
「似合うに決まってるじゃん!陽奈子は可愛いんだから!ほらほら、着替えてきて!」
少し不安に思いながら、綾ちゃんに急かされて脱衣場で着替える。
だけど………こ、こんなにスカート短いの!?それに、背中もざっくり開いてるし……寒いし。
人生で初めてのコスプレ。ミニスカサンタのワンピースに着替えて思うのは、恥ずかしいという感情しかないこと。しゃがんだら下着が見えちゃいそう…コスプレってこんなに露出が高いものなんだ…。
「きゃ~♡陽奈子ちゃんとっても素敵だわ~♡」
「うん、やっぱり似合うね♡」
「とっても可愛らしいですよ、陽奈子さん」
「うんうん、似合ってるね~!よしその格好で決まりだね。陽奈子、煉獄さんにもその格好見せてあげなよ」
綾ちゃんの発言に思わず固まってしまった。
だって、こんな恥ずかしい格好を杏寿郎に見せるなんて無理…
「今日は予行練習みたいなものだよ?陽奈子ちゃん♡その格好で煉獄さんを悩殺しちゃえ♡」
「私も同じこと考えてたわ!クリスマスと言ったらこれくらい気合いを入れなきゃ♡殿方は絶対に喜んでくれるわ♡」
蜜璃ちゃんが気合いを入れなきゃって言ってたのはこの事だったんだ。だとしても、何て言ってこんな格好すればいいの…と困ってると、綾ちゃんが…
「今日は…私がプレゼント♡もらってね?♡…こんな感じでやるんだよ!わかった?!」
「そ、そんな恥ずかしいこと言えるわけないよー!!」
そんなやり取りをしながら、クリスマスパーティーは盛り上がったのだった。
結局、ミニスカサンタ姿を絶対に杏寿郎に見せるという、なぞのミッションを課せられた。やっぱり綾ちゃんは強引過ぎだよ…