第10章 つどい
~煉獄side~
12月に入って寒さも厳しくなってきた。
クリスマスが迫るなか、未だにプレゼントを何にしたらいいか決められずにいた。ネットで色々と調べるが、やはりこれと言ったものがなかなか思い付かない。
携帯の画面を見つめながら小さなため息を一つ吐くと宇髄が声をかけてきた。
「なぁ、お前ら今週末の夜空いてるか?まき、忘年会でいなくてよ」
「あ?…なんだよ、急に。大体予想は付くけどなァ。付き合ってやってもいいぜェ」
「うむ!俺も今のところは何もないが?」
不死川も、俺も何の誘いかは大体理解できた。
すぐに返事をすれば嬉しそうに「男だけのクリスマスパーティーするか、ド派手にな!」と酒を飲む仕草をする。男だけでクリスマスパーティーなんてしたことはないが…
週末になった。
いつものように冨岡の店へ集まると"男だけのクリスマスパーティー"が始まった。ただの飲み会だが…雰囲気だけでも、と冨岡がクリスマスの食卓に並びそうなご馳走を作って出してくれた。改めて思うが、冨岡の料理の腕はすごくいい。もちろん、陽奈子の料理も旨いが…
「そーいや、不死川も同棲してんだって?玲愛ちゃんが言ってたぞ」
「あぁ!?ホントにあいつは口が軽いなァ…くそっ」
満更でもなさそうなその顔で、そんな台詞が出ることが不思議だが……?
「同棲とは、やはりいいものか?」
「まぁな。旨い手料理食えるし、帰れば笑顔で迎えてくれるし、好きな時にキスも出来るしな…すげーいいぞ、同棲。お前も陽奈子と一緒に住めばいいじゃねーか」
好きな時にキス…それは嬉しいな。いや……同棲、か…そんなことは考えたことはなかったが…。確かに毎日一緒にいれるし、もう会いたいけど会えないなんてこともなくなる、か……
「そうだな、今度陽奈子に話してみよう!そうだ、2人に相談があるのだが…」
未だに決めかねていた陽奈子へのクリスマスプレゼントを何にしたらいいのか、2人に相談することにした。
その後、いくつか候補を絞ることができると「後はお前が考えて、最高のクリスマスにしてやれよ!」と宇髄に言われた。
陽奈子の誕生日のときも宇髄に相談に乗ってもらって、プレゼントを用意した。だから迷ったときは経験者に聞くのが一番だろう。経験がないとこうも苦労するのだな、と改めて思わされた。