第1章 出逢い
「はい、着きましたよ」
お姉さんはそう言うと、まだ開店前のはずのカフェのドアを開けた
カランカラン
ドアを開けると少し籠ったような、でも落ち着きのあるドアベルがなる
「…え?えっと、まだお店空いてないんじゃ……」
と、陽奈子が不思議そうに首をかしげていると
「ようこそ、アンティークカフェ〖フラム〗へ!
あなたが緋里陽奈子さん、ですね?」
「(お姉さんはなぜ私を知っているのだろうか?
なぜ、お店の名前を…あ、常連さんなのかな?)…」
ぼーっとしていると中からパタパタと走ってくる音がした、と思ったらいきなり視界が真っ暗になった
そして、なんだか顔にふにふにするものが……
「きゃー!かっわいいーー!あなたが新しく入る陽奈子ちゃんなのねー!よろしくねー!キュンッ」
またまた思考がグルグルと回る
あ、とりあえず目の前が見えないのはこの巨乳お姉さんにぎゅってされてるからか、なるほど…と冷静に理解することができた。
「もう、甘露寺さん?いきなり抱き付いては驚いてしまいますよ?そろそろ離してあげて下さい」
ここまで連れてきてくれたお姉さんが巨乳お姉さんを引き剥がしてくれた
「あーん、まだむぎゅーってしてたかったのにー!それにしのぶちゃん!また名字になってる!」
「?何がですか?ほら、自己紹介しないと緋里さんが困っていますよ?」
視界が開けると巨乳(思った以上にでかい)お姉さんがいた。
髪色が鮮やかなピンクで毛先が黄緑色をしている。
「私は甘露寺蜜璃だよ!よろしくね、陽奈子ちゃん!」
甘露寺さんがハートを飛ばしながら挨拶してくれた。
「私も自己紹介が遅れました、胡蝶しのぶと言います。これからよろしくお願いしますね?」
「え、あ、こ、こちらこそ、よろしくお願いします!あ、緋里陽奈子です!」
やっと事を理解した。
二人はこのカフェの店員なのだと