第10章 つどい
~夢主side~
あれから数日、ますます新店舗オープンの準備で忙しくなっていた。もちろん、フラムも営業しながらの準備なので、もう頭がパンクしそうだ……
杏寿郎に会えなくて寂しい気持ちも、気が紛れて逆にいいのかも…
「陽奈子さん、今日は新店舗の方へ家具が届きますのでそちらの対応をお願いします。私はこちらに残りますので…あ、蜜璃さんも陽奈子さんと一緒に行動してくださいね?」
的確に指示をしてくれるしのぶちゃんに、私と蜜璃ちゃんは拳を握り締め「頑張ろうね!」と気合いを入れた。私も戦力の一人なんだから、頑張らないと。
新店舗へ向かっている途中、蜜璃ちゃんと恋バナになった。そして…どうやら蜜璃ちゃんも、少し前に意中のお相手と進展があったようで…
「クリスマスにデートに誘われたの?!よかったね!なんだか自分のことみたいで嬉しい!」
「きゃー♡ありがとう!私も陽奈子ちゃん達みたいになれるように頑張るね♡そう言えば、陽奈子ちゃん達はクリスマス一緒に過ごすんでしょ?」
「うん!当日は無理だけど、私のオフに杏寿郎が合わせてくれるって……!?ど、どうしたの…?」
蜜璃ちゃんを見れば、目を輝かせこちらを見ていた。そして私の手を握ると上下に揺さぶって興奮した様子でいる。
「うふふ♡クリスマスなら気合いを入れなきゃね?私に任せて!今度陽奈子ちゃんのおうちに行ってもいいかしら?」
「う、うん?いいけど…気合い入れるもの、なの?」
いまいちピンと来ない私を他所に、蜜璃ちゃんは「クリスマス、頑張っちゃうわよー!!」と拳を掲げていた。通りすがりの人は何事か?と不思議そうな顔をしている。
そして12月に入ったある日。
フラムに綾ちゃんと玲愛ちゃんがご来店。
「やっほー!陽奈子♡」
「陽奈子ちゃん久しぶり~♡わぁ、制服姿可愛いね♡」
珍しい組み合わせにどうしたのか聞いてみれば、あの時に連絡先を交換して以来、綾ちゃんと玲愛ちゃんは互いの恋バナで盛り上がり急激に仲良くなったみたいで…