第10章 つどい
~夢主side~
コーヒーショップで綾ちゃんを待ちながら、先程の状況を説明してもらった。
「な、なるほど……百瀬さんは今不死川さんとお付き合いをしてるのね…」
「やだな~、玲愛でいいよ!うんっ、さねみんの優しいところにきゅんってなっちゃってね、一気に好きになっちゃったの♡」
百瀬さん、改め玲愛ちゃんが嬉しそうに不死川さんの腕にすりすりと擦り寄る。等の本人は「人前だからやめとけェ」なんて言っときながら、ものすごくにやけてる…随分と分かりやすいな、この2人は。
「いつの間にそんな仲に…まぁ恋には時間なんて関係ないか!あ、ごめん!私天元と外で会う約束してるから…」
まきをさんが時計を見て慌てて立ち上がる。
宇髄さんとまきをさんは同棲をしている。だけど今日は2人の記念日らしくて外で会う約束をしていたらしい。
「綾ちゃんにもよろしく言っといて!じゃ…」
「オイ!!くれぐれも宇髄には」
「はいはい、わかってますよ!玲愛ちゃん、不死川さんのことよろしくね?それじゃまたね~!」
不死川さんの言葉を遮って、軽くあしらうと足早にお店を出ていった。なんだか漫才のようだな…元々不死川さんとまきをさんは宇髄さんの繋がりで何度か会ったことがあるみたい。だから会話のテンポがいいのかな…?
そんなこと考えていると綾ちゃんがまきをさんとすれ違いでお店に入ってきた。
「ごめん、お待たせ~!さぁ、お二人の馴れ初め聞かせて貰うよ~!ここじゃなんだからご飯食べにでも行こうよ、ね?陽奈子も聞きたいよね?!」
そう言って強引に2人をご飯に誘うと、そこから綾ちゃんの尋問が始まった。綾ちゃんて恋バナ好きなんだよね…話し出すと止まらなくなっちゃう。多分和菓子と同じくらい……