第10章 つどい
~綾side~
今日ももうすぐ閉店。
早く陽奈子に会いたいな~♡
煉獄さんとその後どうなったか気になるし…♡
今日は質問攻めしちゃお~っと。
そんなことを考えていると、目つきが相当悪いお兄さんと、くりくりした目が印象的なTHE女の子カップルが腕を組んでご来店。
「…いらっしゃいませー………うぇ?」
見覚えのある2人……えっとー、思い出せない……
誰だっけ…女の子の方は……あっ!!!陽奈子から煉獄さん盗ろうとした泥棒猫(未遂)だ!!それと……あの人は不死川さん、だったよね?なんで2人が一緒に?
一体どういうことだ?と考えていると、不死川さんと目が合ってしまった。
「…!お、お前は確か陽奈子の……」
「さねみん、どうしたの?知り合い?」
「さね、みん…?あ、お二人はそういう関係ですか。成る程、それなら陽奈子の恋路を邪魔するやつはいなくなりましたね」
どうやら2人は付き合ってるみたい。煉獄さんに猛アタックしてたけど、あんなの目の前で見せられればそりゃ身を引きますよ。あ、いやいやそうじゃなくって……
「一応、付き合ってる……玲愛、覚えてねェか?陽奈子のダチだァ。この間一緒の店にいただろォ?」
「一応って、さねみんひどい~…えっと、あ!確か……?」
「冨岡綾です。あんな状況でよく覚えてましたね…ところでどうしてここに…?まぁ、和菓子屋なんだから何か買いに来てくれたんでしょうが……」
そう聞いてみれば不死川さんは恥ずかしそうに話し出す。
「ここのおはぎが美味いって聞いてなァ。俺はおはぎが好きだからよォ、こいつも甘いのは好きだから買いに来た。文句あんのかァ?」
「いや、ないですけど…おはぎ、好きなんですか!?意外……いや、和菓子好きな人に悪い人はいないですから!…普通に嬉しいですっ!私が作ったおはぎ美味しいって言って貰えて!!ささっ、好きなだけどうぞっ」
店頭に並んでるおはぎは最近私が仕込んでいるものだ。だからそう言って貰えるとすごく嬉しい!
そう思っていると再びお客さんが入ってきた。
巨乳のお姉さんが入るなり「あれ?不死川さんっ?」と声をかけていた。