第9章 ハニハニ *
「はぁ…んぅっ……はっ…」
「陽奈子…もっと味わいたい…君を食べてもいいか?」
そう言えば一瞬迷った様子だったが「いいよ」と小さな声で返事をしてくれた。
食むようにキスを繰り返していくと、だんだんと陽奈子の唇が柔らかくなっていく。最近気付いたのだが、陽奈子は"そういう"スイッチが入ると途端に唇が柔らかくなっていく。それが全てを受け入れてくれるように感じていた。
くぢゅっ、くちゅ
舌で口内をかき混ぜれば、蜂蜜のように唾液が口端から溢れ落ちていく。
それを舐めとるように顎、首筋、と舌を這わせながら愛撫していくと、ふとあることを思い付く。
陽奈子をソファに押し倒すとぷちぷちとシャツのボタンを外していく。
「きょ、じゅろ…これ、取ってもいい?これじゃ何も見えないよ…あと、電気消して…くれません、か…?」
「どっちも駄目だ。しばらくそのままでいてくれ…その姿で君がどう可愛く反応するのか、よく見たい。」
「い、いつもは電気消してくれるでしょ!?…それに…何言ってっ!!!」
口をハクハクさせて顔というより、全身が赤くなっているように見えた。
小瓶を手に取ると、瓶を傾けて陽奈子の首筋目掛けて蜂蜜を垂らす。「きゃっ!」と小さく叫ぶと少し暴れだす。
「な、何してるのっ?え、もしかして蜂蜜!?」
「うむ、蜂蜜だ。だから君を味わいたいと言っただろう?」
暴れる陽奈子を押さえ付け「あまり動くと蜂蜜が垂れる」と、その首筋へ舌を這わせながらとろっとした甘い蜂蜜を舐め取っていく。もちろん陽奈子を味わいながら……
「味わうって……ん、……やだ、ベタベタする……ね杏寿郎、普通にするのじゃダメ、なの…?」
「俺の言った味わうとはこうすることなんだが…嫌だったか?嫌なら残念だが諦めるが……」
シュンと萎れたように聞き返せば「ぅ、だからその聞き方はズルいよ」と抵抗しなくなった。それはこの先へと進んでいいと言うことだろう。
俺の頼みを断れない陽奈子。その弱みについつい漬け込んでしまった。可愛い反応をする陽奈子が悪いのだ…
遠慮することなく、また蜂蜜を垂らす。
今度は谷間辺りに……