第1章 出逢い
わっ…こんなに全快の笑顔で笑うんだ、目尻に笑い皺がある。きゅん…
ん?きゅん?きゅんてなんだ?
「ほら、また表情がすぐ変わる。まるで子供のようだな!」
「なっ!もう、子供扱いしないで下さい!これでも19歳なんですから!!」
「む!?そうであったか!俺と1つしか違わないのだな!俺は20歳だ、もう酒も飲めるぞ!」
「(いや、最後のは何アピールなの?)そうなんですね!もう少し上だと思ってました」
「うむ!よく言われる!この話し方のせいで貫禄があると!!」
「あ、それは確かにわかるかも…」
「そうか?俺はこの話し方を気に入っているがな!ところで、歳も差ほど変わらないのであれば堅苦しく敬語を使うこともないだろう?俺のことは杏寿郎と呼んでくれ、仲良くしよう!」
そう言って煉獄さんは手を差し出してきた
「(これは握手を求めてるのかな?)あ、う、うん?じゃ、私のことも陽奈子でいいよ、よろしくね、きょ、杏、寿郎…」
がっしりとしたゴツゴツした手を握りしめた。
「手、おっきいね?しかも豆だらけ、痛そうっ!」
「そういう陽奈子は手が小さいな。俺は毎日竹刀を振って鍛えているからな、あとは仕事柄というのもあるが、豆が出きるのは頑張っている証拠だ!」
「そうだね!勲章みたいな感じだね。私もほら!頑張った証で火傷のあと!」
そう言って専門学校の実習で火傷したときの傷を腕を捲って見せてみた
「む。痛そうだな、今は痛むのか?」
「全然大丈夫!むしろ、夢の為ならこのぐらい平気!勲章だよ、勲章!!」
「夢?それは目標ということか?」
「うーん、夢と目標の違いがよくわからないけど、私将来、自分のお店を開きたいの。フラムみたいな素敵で居心地のいいカフェを持つのが夢なんだ!」
そう少し興奮気味に自分の夢を語る
こんな話をしているとどんどん自分がヒートアップしてしまって、周りと温度差が生まれてしまうのが毎回のことなんだけど…
「うむ!自分の将来に向けて努力すると言うのは、とても素晴らしいことだ!俺も心から応援するぞ、陽奈子!!」
そう言って杏寿郎は全力で応援してくれた。
「ありがとう!よーーしっ!!明日は今日よりももっと頑張って夢に近づくぞ!!」
と、片手で拳を作り上に向かって突き上げ、気合いを入れた。
そして気付くともう駅に着いていた