第1章 出逢い
お店を出るともう日が大分落ちていて夕焼けがとても綺麗だった
「なんか色々濃い1日だったな、まぁ初日だし色んな出逢いがあるもんだよね!」
なんて独り言を呟いて看板をしまおうとしたとき、後ろから声をかけられた。
「緋里少女!もう店は終いか?よく頑張ったな!」
煉獄さんが目の前にいた。
ちょうど煉獄さんの後ろに夕焼けが見えるので、髪の毛が夕日に照らされて綺麗なオレンジ色掛かった金色の髪がそよ風になびく
「ドキッ(わ、綺麗な髪…)あ、煉獄さんもお疲れさまでした。今終わったんですか?」
「うむ、これから帰るところだ!車を停めさせて貰っていた礼を言おうと思ってな。」
「(律儀な人なんだな…なんか恋愛に興味とかなさそうなの、わかる気がするかも)わざわざありがとうございます。しのぶちゃん中にいますよ?どうぞ」
と、ドアを開けてあげる
「すまない、ありがとう」
そう言って煉獄さんは中へ入っていった
「(それにしても…私はなんでこんなにも煉獄さんにドキッとしてしまうのか…かっこいいって思うの?うーん、好きとは全然違うし…なんか変な気持ち)」
複雑な気持ちで看板を持って中に入ると
煉獄さんとしのぶちゃんが仲良さげに立ち話をしていた
「あ、陽奈子さん。今日はもうあがって大丈夫ですよ。初日でお疲れでしょうし、また明日もありますから!」
「でも、片付けがまだじゃ…」
「緋里少女!休むことも大事な仕事のひとつだ!今日は明日に備えて早く休むといい。なぁ胡蝶!」
「えぇ、煉獄さんの言う通りです。まだまだお仕事覚えることたくさんありますから、また明日。ニコ」
「うーん、わかりました、ではお先に失礼します。」
みんなにひと声かけてから、更衣室に入り着替えてから帰る。
「それではその役目、しっかりと果たそう!」
着替え終わってお店に戻るとまだ煉獄さんがいた。
「陽奈子さん、朝迷っていましたよね?ですから、煉獄さんに駅まで送ってもらってはいかがかと?」
「や、いやいやいや!そんな迷惑ですし、大丈夫だよ!自分で帰れるから!」
「緋里少女は、極度の方向音痴だそうだな!それでは家に着くまでに朝になってしまうぞ!」
「(それはさすがに言いすぎでしょ)でも、煉獄さん仕事で疲れているだろうし、早く帰って汗も流したいんじゃ…」