第7章 疼き *
~夢主side~
「俺は、陽奈子が好きだ。好きで好きでどうしようもない。だから……つい君を毎回求めてしまう。身体が疼いて、君に触れたい、抱きたいと……だが、それは俺の我が儘だ。陽奈子は優しいから俺の全てを受け入れてくれていたと思う。」
「杏寿郎…」
真剣に話す杏寿郎に耳を傾ける。
その声音はどこか不安げで、でも優しさに溢れていた。
「俺は君を傷つけたくないし、悲しむようなことはしたくない。だから、自分の欲を抑えるためになるべく陽奈子に触れないようにしていた…触れてしまったら自分で抑えが効かなくなってしまうから…すまない、誤解を招くような行動を取ってしまって。」
そう頭を下げて謝る杏寿郎に「違うよ」と呟いて抱き締める。
「嫌じゃないよ。私は杏寿郎に愛されたいし、触れてほしいと思う。だから、我慢…してほしくない。もっと私に、触れて…?」
「陽奈子っ…だから、煽るんじゃないっ」
そう言ってまた私を引き剥がし、距離を取ろうとする。
だから剥がそうとした腕を掴み、服の首もとを掴んで引き寄せると強引にキスをした。
「…っん………よ、よもや…」
唇が離れると顔を真っ赤にした杏寿郎がいた。
「ふふっ、真っ赤。可愛い…」
「か、可愛いとはなんだ!!…責任はきちんととって貰うからな」
そう言ってキスをしてくるから、両手で制する。
「なっ、どうした…?」
「ごめんね…ここまで煽っといて申し訳ないんだけど…今日、女の子の日で………」
杏寿郎がみるみる萎んで行くような気がした。
後から聞いた話だけど、
私の匂いで身体が疼き、自慰行為をしたこと。
だからあの時、切羽詰まった様子だったんだとようやく理解した。
杏寿郎は「変態だろう…」と頭を抱えながら言ってたけど、全くそんなこと思わない。
確かに少し恥ずかしさはあったけど、それよりもそんなに私を求めてくれたことが嬉しかったから…
その話を聞いて私の身体が少し熱く疼いたのは、杏寿郎には内緒。