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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第7章 疼き *



~煉獄side~


胸に飛び込んできた陽奈子を力一杯抱き締める。

「杏寿郎の、匂い…会いたかった…」

すりすりと胸に頬を擦り寄せる陽奈子。
その姿にぎゅっと心が締め付けられる。
陽奈子の顎に手を沿えて、上を向かせる。



はっ、とした。
つい昨日、自分の気持ちを抑えると心に誓ったばかりだ。
と、咄嗟に身体を離していた。


ばっ


「…杏寿郎?」

「あ、いや、外だし…人目があるからなっ!帰ろうか」

そう言って誤魔化すように、陽奈子の荷物に手を掛けて持つ。

「あ、いいよ!」

「これぐらい、させてくれ。彼氏、なんだから…」

自分で"彼氏だから"と言って少し恥ずかしさが込み上げ視線を反らす。
そっと陽奈子横目で見ると、頬を染めながら「ありがとう」と微笑んで俺の手を握ってきた。


びくっ

握られた手が熱い。
流石にこれを振りほどけるわけがない。
なるべく意識しないよう、平静を装って……





陽奈子のアパートに着くと、陽奈子が部屋の窓を開けて空気の入れ換えをする。

「んー、もう9月末だけど、まだまだあっついねー…」

手で顔を扇ぎながら、開いている片手でTシャツをパタパタとさせる。
視線を下に移せば、服の隙間からちらちらと陽奈子の腹が見え隠れする。

「…っ!(堪えろっ、堪えるんだ!煉獄家の名に恥じぬよう…)」

それから視線を外し、なるべく別のことを考える。


「陽奈子、何か飲み物を飲んでもいいか?」

「あ、ごめん、気が効かなくて…ちょっと待っててね」

「あ、いや!俺が取りに行こう!」

自分で飲みたいと言ったのだから、それくらいやろうとドアに向かおうとする

「え、いいよ!杏寿郎はすわっ」

とんっ

ドア付近に陽奈子が立っていたため、軽くぶつかる。

「わっ…」
「陽奈子っ」

俺にぶつかった反動でバランスを崩し、倒れそうになった陽奈子を抱き締める。

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