第7章 疼き *
~煉獄side~
陽奈子と初めて数日間会えない日が今日から始まった。
俺は耐えられるだろうか…
もう既に恋しくなっているのは、気のせいでは無さそうだ。
仕事の合間にスマホをチェックすると『今、電車乗ったよ!』『今、電車降りたよ!』と本当に細かくメールを送ってくれていた。
"その都度連絡してくれ"と言ったが、乗り降りの際に連絡してくれと言ったつもりではないのだが…
陽奈子は少し抜けているところがあるな…
そこがまた可愛いのだが…
と、少し頬を緩ませていると一服の時間が終わりを告げたので、仕事に戻ることにした。
夕方家に帰ると、汗をすぐに流すためシャワーを浴びた。
珍しく帰り際に買ってきたビールを冷蔵庫から取り出し、風呂上がりで渇いた喉を潤す。
ごくっ、ごくっ
「はぁー!うまいっ!風呂上がりのビールは格別だな!」
なぜビールを買おうと思ったのか自分でも不思議だった。普段は店で飲むことぐらいだったのに、今日は珍しく飲みたい気持ちになった。
きっと、陽奈子に会えない寂しさを紛らわす為だろう…
そう思いながら、また残っているビールを流し込んだ。
スマホをチェックすると、もう2時間程前に返信した返事はなかった。
きっと、実家で話に花を咲かせている頃だろう。
楽しい時間を邪魔しては悪い。
そう思いベッドに寝転がる。
ふわ
ベッドに勢いよく寝転がると、陽奈子の匂いが微かだが鼻を掠めた。
「…っ」
それだけで身体がかっと熱くなる。いや、酒のせいだろうか…
ふと目をやると、陽奈子が着ていたTシャツが目に入る。それを掴んで顔を寄せれば、一気に陽奈子の匂いが俺の身体を刺激してくる。
「…はっ、陽奈子…」
それだけなのに、俺の身体中は疼き、下腹部は今にも熱を放したいと"主張"し始めていた。
「…っ、もう無理だ。すまない、陽奈子っ」
陽奈子への罪悪感を少し残して、ズボンに手を掛けた。