第6章 結び *
抱き締めながら、陽奈子の柔らかい髪を掬い、撫でながら話す。
「あぁ、できれば俺も陽奈子と一緒に過ごしたい。だが、俺たちはこうして毎日のように会える距離だろう?ご両親や兄弟にはすぐに会える距離ではないのだ。だから、こういう時は実家に帰って積もる話をしてくるのもいいんじゃないか?」
そう言えば瞳が大きく開かれ、嬉しそうに微笑む陽奈子。
「杏寿郎には、敵わないや…うん、ありがとう。会えないのは少し寂しいけど、毎日電話するね?」
上目使いでそんな可愛いことを言う陽奈子にそっとキスをすると、また嬉しそうに微笑んだ。
「たった4日だぞ?すぐに会えるから寂しがることはないだろう?」
そう言いながらも心のなかではとても離れがたい気持ちでいた。だが、ここは男としてぐっと堪えるところだろう。たまには格好を付けるくらいしてみることにした。
「4日でも寂しいものは寂しいよ。本当はずっと一緒にいたいのに…」
とんでもない破壊力で可愛いことを言い、そのまま抱き付かれればもう、止まれはしなかった。
陽奈子の頬に両手を添えて、少し粗めに寄せれば
そのまま深く口づける。
「んぅっ…ふっ…はっ…きょっ、…じゅろっ」
「陽奈子…ん…はぁ…」
陽奈子とキスをすればするほど、底無しの沼に飲まれていくような甘い感覚になっていき、もっと触れたいと感じる。
そのままテーブルへと押し倒すと、陽奈子に待ったを掛けられる。
「だっ、だめだよ杏寿郎っ!」
小さな手で俺の胸を押し返すが、それを聞いてやらない。俺の胸に当てた手を掴むと、そのまま陽奈子の顔の横へと押し付ける。
「もう、限界だ。陽奈子が可愛いことを言うから、もう止められない…」
テーブルに両手首を押さえつけたまま、陽奈子の首筋に舌を這わそうと口を開けると…