第6章 結び *
近付いたことにより、陽奈子の小ぶりな胸が俺の胸と重なる。吸い付きがよくて俺は好きだが…そう思うとまた下腹部に熱が集まるのが分かる。
先程放ったばかりの"雄"がまた熱を帯び始め、再び硬くなる。それが陽奈子の太ももに触れる。
「きゃぁっ!も、もう!!し、しまって!収めてくださいー!!」
「仕方がないだろう!?情景反射と言うものだ!」
陽奈子に裸で触れられているのだ、下腹部が熱くなるのも当然の事だ。だが、陽奈子の言う通り収めなくてはならんだろう。"初体験"で2回も…と言うのは流石に陽奈子の身体が壊れてしまいそうだ。
「陽奈子、実はな…」
気を紛らわそうと、先日の話をし始めた。
宇髄大先生による『ベッドイン講座』のことを…
もちろん、詳細は伏せておくが。
「もしもの時に備えて、そうなった時に俺はきちんと陽奈子に優しくしてやれるか、痛がらせずできるか自信がなくてな…男として不甲斐ない話だが…」
大切な女性をまともにリードすることさえ、俺の脳内の引き出しにはないため宇髄を頼らざるを得なかった。そんな自分が情けなくなり、少し眉を下げて陽奈子を見ると
「杏寿郎…そんなこと、思っててくれたの…?」
今にも泣き出しそうに眉を下げ、瞳を潤ませて俺を見上げてくる。
「よもやっ!ど、どうしたのだ!?どこか痛むのか?」
驚いて陽奈子を起こし、両肩に手を置いて俯いた顔を覗き込めば「ううん、大丈夫。ただ…」と顔を上げて俺に触れるようなキスをしてきた。
ちゅ
「…そういう杏寿郎の優しい気持ちが嬉しいの。」
唇が離れると、そう口にして優しく微笑んでくる陽奈子に胸がぎゅぅっと締め付けられた。
「陽奈子っ…」
何と言葉にして今の気持ちを伝えればいいのか分からず、言葉の代わりに陽奈子を力一杯抱き締めた。