第6章 結び *
~煉獄side~
事後処理を終えて、ベッドにお互い横向きになりながら裸で抱き締め合う。先程"こと"を終えたお互いの身体は、汗でべたついていた。
「折角シャワーを浴びたのに、また一汗掻いてしまったな」
「そうだね…またシャワーしなきゃだね」
真夏の暑さを冷やすようにエアコンは利いているが、あれだけ激しく動けば全くもって意味はない。
陽奈子を腕枕しながら、空いている片方の手で頭を撫でてやれば「ん…」と鼻にかかるような可愛い声で俺の胸にすり寄ってくる。
「一緒に入るか?」
半分本気、半分冗談で視線を陽奈子に移すと、顔がみるみる真っ赤になっていく。
「きょうっ、じゅろうっ!!もうっ…」
顔を赤くして、それを隠すようにまた俺の胸に顔を埋める仕草がまた愛らしい。「冗談だ!」と言うと今度は頬を少し膨らませながら怒った顔をして俺を睨む。
「…うー、なんか悔しいっ!さっきもっ…なんだか杏寿郎はすごく余裕ある感じだったし…」
悔しい!っと睨んだかと思えば、今度は眉を下げしゅんと下げながら呟く。
「…こんなこと聞くのも変だけど…杏寿郎ホントに初めてなの…?」
「うむ!もちろん初めての経験だった!どうしてだ?」
なぜそんなことを聞くのだろうか?と陽奈子の顔を覗き込みながら聞いてみると「だって…」と恥ずかしそうにもごもごと話し始める。
「な、んかっ…馴れた手付きだった感じするし…それに私も知らない用語とか…なんだっけ、じーすぽっと?」
あぁ、それは…。そう言われてしまえば、確かに馴れていると思われてしまうのかも知れない。これは伝えるべきか、男として格好をつけるために黙っておくべきか…そう頭の中で葛藤していると「ね、どうして?」と顔をずいっと俺に近付ける。
「…っ!陽奈子…そ、その胸が…当たっている。」