第1章 出逢い
「陽奈子さん、煉獄さんはもう決まっているので、注文は取らなくても大丈夫ですよ?」
「え、あ、はいっ!(常連さんなんだ)」
「うむ!すべて大盛で頼む!!あと、今日は甘いものが食べたいな!何かおすすめはあるか、緋里少女!」
「(しょ、少女って、この人変わってる…)えっと…じゃぁ、私の好きなさつまいものモンブランなんてどうですか?」
そう言うと煉獄さんは目をカッ!と見開いた
「何!?緋里少女はさつまいもが好きなのか!?同志として歓迎する!!では、そのおすすめを食後に食べよう!」
「陽奈子ちゃん、煉獄さんはね、さつまいも愛がすごすぎて、食べるときものすごーくうるさいから、あんまりさつまいも系はおすすめしない方がいいんだよ」
蜜璃ちゃんがこそっと耳元で教えてくれた
「え、そうなの?!ご、ごめん…」
そしてオーダー票を持って厨房に行くと、中でオーナーとカナヲが慌ただしく調理を始めていた。
「今入った注文なのにこんなに色々な食材使うの…?」
「えぇ、あの人たちかなり量を召し上がるので、毎回大変なんです。特に煉獄さんが一番食べるので、オーナーもカナヲも大騒ぎなんです」
はぁー、っと短めなため息をしのぶちゃんがついて、煉獄さんたちの方を見つめた
「なるほど!だから大騒ぎって言ってたんだね!確かに、皆いっぱい食べそうだね」
「陽奈子さん、いっぱいではありません。人とは思えない量を食べるんです」
「そ、そんなに!?」
「あの6人掛けのテーブルに収まりきらない程です」
「それはいくらなんでもありえな…」
ありえないでしょ!って言おうとしたとき、料理が出来たのでどんどんと出てくる、出てくる、出てくる……
「(ほ、ホントに人じゃない…)」
「よし!いただこう!!……うまい!うまい!うまいっ!!」
大きな声でうまいと連呼して美味しそうにご飯を食べている煉獄さん。あの量は無理でしょ!っと思ったが、あっという間に減っていく品々。
だけど……
なんか爽快だな。
「(こんなにご飯をおいしそうに食べる人ってあんまりいないかも。…ぶふっ、口の周りにご飯粒ついてる、子供みたい)かわいい…ボソ」
「あれが可愛いのですか?」
「(やば、声に出てた!)いや、えーっと、なんか子供みたいじゃない?」