第5章 心通う
「杏寿郎っ、ありがとう!」
そう言って抱き付いてくる。
「開けてもいいかな?」
「うむ。気に入ってくれるといいのだが…」
そう言ってプレゼントの箱を開けると、中から華奢なネックレスが輝きを放っている。
「わぁ!かわいい!」
すごくキラキラした顔でそのネックレスを取り出す陽奈子。
「俺がつけてあげよう」
後ろに回ってそのネックレスをつけてやる。
そのときに、俺が着けやすいようにと陽奈子が下ろしている髪を片側に寄せる。
その為白い項が顔を出す。
ドキリと跳ね上がる。
緊張しているのか、若干震える手でネックレスをつける。
「ありがとう。」
そう言って立ち上がり、側にある全身鏡の前に立つ。
「どう?似合うかな?」
そう陽奈子が聞いてくるので、俺も立ち上がり後ろから陽奈子を抱き締める。
「うむ。すごく似合っている、綺麗だ」
そのまま露出している首筋に顔を埋め、口付けた。
「ひゃ…杏寿郎…」
俺の名前を呼ぶ陽奈子の声は少し色気さえ感じる。
そのまま唇を首上に移動させながら、食む。
「いい匂い、だな…」
「…んっ、く、くすぐったいよ…」
ボディソープなのか、それとも陽奈子の匂いなのか…少し甘い匂いが鼻を掠める。
顔をこちらに向かせると、優しく口付ける。
また止まらなくなりそうなので、自分の理性を保ちながらゆっくり陽奈子から離れた。
「そろそろ、寝るとしようか。おいで」
手を伸ばすと陽奈子を横抱きにしてベッドに寝かせた。
俺も横になると、陽奈子がスリスリとすり寄ってくる。
そこまではよかったが、今日は陽奈子が足を絡ませてきた。
それがもう耐え難い…
「陽奈子っ…す、すまないが、もう少し離れて貰えるだろうか…?」