第5章 心通う
しばらく見て回ると、お土産コーナーの前を通る。
「皆にお土産買っていこうかな?」
「うむ!俺も宇髄達に買っていこう!」
そう言ってお土産を見て回ると…
私はあるところで足が止まる。
「陽奈子?これが欲しいのか?」
「い、いや!?そ、そんなことはないですよ!?」
明らかに声が裏返る。
「ふ、くくっ。そんな意地を張らなくてもいいぞ?バレバレだからな!」
杏寿郎は笑いながらそう言うと、それを手に取る。
「え!?そんな!!子供っぽいからいいよ!」
私が欲しそうに見ていたのを感じ取った杏寿郎はそれを横に抱えて歩き出す。
「陽奈子が欲しいのだろう?それに、これを欲しがる陽奈子が可愛いからな!」
なんて恥ずかしいことさらっと言っちゃう。
私が欲しがったのは、少し大きめのシロクマのぬいぐるみ。
ふわふわの毛並みが少し杏寿郎に似てて、可愛い。
「会えないときはこれを俺だと思ってもいいんだぞ?」
と冗談っぽく言ってぬいぐるみを渡してくる。
「ふふっ、そうする!ありがとう、大事にするね!」
そう言って大事にシロクマを抱き締める。
その後、イルカショーをみたり、館内名物のランチを食べたり、デートを満喫した。
帰り道は少し遠回りをしてドライブをしながら帰ることに。
「楽しかったー!魚も綺麗だったし、あんな近くでイルカ見れたし、もうホントに楽しすぎたよ!ありがとう」
「喜んでくれてよかったぞ!陽奈子が楽しそうで何よりだ」
そんな会話をしながら杏寿郎の家に向かう。
今日はまた、杏寿郎のお家にお泊まりすることになっている。