第5章 心通う
お泊まりをするのに、何もないので必要なものを買いに出る。
「こういうとき、コンビニって便利だよね」
「うむ、何かと助かっている!そうだ、家に冷えた飲み物がなかったな、それも一緒に買おう。」
自然と手を繋ぎながら歩く。
「浴衣は、明日にでも伊黒のところに持っていくとあいだろう」
「そうだね、蜜璃ちゃんに借りた浴衣綺麗にして返したいし、そうする!」
ふ、と思い出したことがある。
「あ!」「む!?」
二人で同時に気付いたようで、声が重なった。
「…しのぶちゃん達、心配してるよね?」
「うむ、俺も同じことを考えていた」
今までしのぶちゃん達のことをすっかり忘れていた
そう思い出し、スマホをチェックすると着信履歴がものすごく着ていたことに気付く。
「あ…ごめん、杏寿郎…電話何回も掛けてくれてたんだ…」
あの時、スマホが鳴っていたことに気付かなかった。
「いや、もう済んだ話だ。こうして隣に陽奈子がいるのだ、それで充分だ!」
にっこりと笑って、握っていた手を更にぎゅっとした。
「…杏寿郎。うん、ありがとう!」
握られた手をぎゅっと握り返す。
「しのぶちゃんからメール着てる…」
「まだあの場にいるのだろうか?」
杏寿郎も一緒に覗き込み、しのぶちゃんからのメールを読み上げる
『煉獄さんに見つけてもらったようですので、私達はお先に帰ります。また明後日お会いしましょう。そのときは色々聞かせてくださいね?』
「い、色々って何!?と言うより、どこかで見かけたってことなのかな?声かけてくれてもよかったのに…」
なぜ、見掛けたのに声をかけてくれなかったのか疑問に思いながら『心配掛けてごめんね!また明後日』と短めに返信をした。
「宇随からも似たようなメールが着ていた」
『上手く行ったみたいでよかったな!明日色々聞かせろよ!』
宇随さんらしいメールだ。
コンビニで必要なものを買い揃え、帰りに二人で歩きながら買ったアイスクリームを食べながら帰る。
「んーっ!冷たくて美味しいね!」
「うむ、こうも蒸していると、こう言った冷たいものが食べたくなるな!」
外はやっぱり蒸してアイスクリームがみるみる解けていく