• テキストサイズ

し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第5章 心通う



~三人称~


陽奈子を抱えた杏寿郎は、しばらく無言で歩く。


すると、ある階段のところで立ち止まる。

「すまない、陽奈子…一人にしてしまって。」

そう言いながらその階段をゆっくりと登る。

「…ううん。はぐれちゃったのは私だし…」

「いや、側にいるべきだった。守ってやれなくてすまない。」

「そんなに謝らないで?私は大丈夫だよ。ほら、義勇さんが居てくれたし!」

そう言うと杏寿郎が眉間にシワを寄せ黙ってしまった。


気付くと階段は終わっていて、少し開けた丘があり、そこには小さな社があった。

その近くにベンチが一つ。

杏寿郎はそこに陽奈子を下ろす。

「…ありがと。」

俯きながら杏寿郎にここまで連れてきてもらった礼を言う。



すると、杏寿郎は陽奈子の怪我をした足にそっと触れながら、話し出した。


「痛いか…?」

「全然だよ。義勇さんが大袈裟なことするか…」

そう陽奈子が言い終わる前に、視界が暗くなる。

気付くと杏寿郎に抱き締められていた。

「っ!!…きょ…じゅろ…?」


「俺は君が好きだ。」

突然のことで頭が真っ白になる陽奈子。


「だが…陽奈子の気持ちが俺に向いていなくても、俺は君を想っていてもいいだろうか?例え君が、不死川が好きでも、冨岡が好きでも俺は陽奈子を好きでいたい。」

急な告白に戸惑った陽奈子だが、頭には疑問が…

「…ちょ、ちょ、ちょっと!ちょっと待って!!」

「む?なんだ?」

「え、なんで?!私がいつ不死川さんが好きって言ったの!?義勇さんだって、私はお兄ちゃんみたいな存在としか思ってないよ?!」

勝手に勘違いされていたので、誤解を解く。

「よ、よもやっ?!だが、不死川とデートしていたではないか!?」

「…え!?見てたの!?あ、あれは不死川さんがお礼って連れていってくれただけだよ?」

「む!?では冨岡はどうなのだ!?」

「だからお兄ちゃんとしか思ってないよ!私が好きなのは…」

そこで止まってしまう。

「杏寿郎は…本当に好きの意味がわかってる…?」

そう聞いてみる。

/ 352ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp