第6章 あなたの好きに/ラギー/裏
移動教室からの帰り
教科書を持ちながら自分の教室へ戻っていた
『次の教科なんだっけ……はぁ、もう少しでお昼だーー……頑張ろう』
「監督生!」
『?』
バサーーーーーーッ
頭から茶色い粉が降ってきた
『な、何……!?』
「わりぃ!!大丈夫か!?」
『服の中まで入っちゃったよ…何、これ…』
「運んでくれって頼まれてた粉なんだけど……」
「あれ、これ…もしかして……」
『?』
「監督生逃げろ!」
『は?』
「これ……マタタビだ……!獣人…特にネコ科の奴には気をつけろ!」
『マタタビ!?』
周りにいた獣人たちの目が変わる
『あ……やば』
は走り出した
『獣人族の足に敵うわけないじゃん!!』
教室に逃げ込んだり中庭へ逃げたり……
しかしの体力の方が尽きてきた
『ハァ…ハァ……確なる上は……』
着ていたブレザーを後ろに脱ぎ捨てた
そのブレザーに群がる獣人たち
『ひぃい…!』
空き教室へ逃げ込み、隠れる
『(寮に戻ってシャワー?まずはここから逃げなきゃ…)』
「グルルルル…」
「グルル……」
『あ、あの……』
獣人たちはに飛びかかった
『(ラギー先輩…!)』
目をギュッとつぶって覚悟を決めた
しかし誰かに腕を引っ張られ、窓から飛び降りた
『きゃああああ!』
ラギー「大丈夫っすか!?」
『ラギー先輩!』
ラギー「何か凄い事になってるッスねえ!掴まっててくださいよお…!」
ラギーはを抱えてほうきに飛び乗った
猛スピードで学園内から脱出した
ラギー「このまま……オンボロ寮まで運ぶッスよ…!」
『は、はい…!』
ガクンッ
『わっ!』
ラギー「っ!」
『大丈夫ですか!?』
ラギー「っぶね……」
『ラギー先輩…!』
ラギー「大丈夫ッスよ…!くんは……ハァ……っ」
『すごい汗ですよ……!』
ラギー「っ!」
ガクンッ
ほうきから落ちて地面へ
そこまで高くなかったので怪我はなかった
『ラギー先輩…!』
ラギー「来るな!!」
『!!』
ラギー「今……ダメッス……!!」
汗、涎、激しい呼吸、眼光が鋭くを捕らえている
『…っ』