第4章 好きの意味/フロイド/甘
フロイド「小エビちゃ~ん♪」
『フロイド先輩…』
授業中、ランチタイム、放課後、モストロラウンジでのバイト……
最近ずっと側に寄ってくる
『どうしたんですか?』
フロイド「暇だから遊びに来た~♪」
『暇って……部活はどうしたんですか?』
フロイド「サボり~」
『ダメですよ、ちゃんと行かなきゃ』
フロイド「え~…ダメ?」
フロイドはしゃがんで上目遣いでを見る
『うっ……』
そう、私はこの顔に弱い
『こ、今回だけですよ……』
フロイド「小エビちゃんそれ前も言ってた~」
『わかっててやってますね!?』
フロイド「うん、上から見る小エビちゃんも好きだけど、下から見る照れてる小エビちゃんも好きだよ~」
『あ、ありがとうございます』
フロイド先輩は気まぐれだ
この「好き」もいつか変わるかもしれないから期待はしない
でも言われて嬉しくないわけはない
だって
『(好きなんだもんなあ…私……)』
フロイド「小エビちゃん?何考えてんの?」
『あ、いや、何でもないです』
フロイド「ねえねえ、今日は何するの?」
『図書館で本を読むつもりでした』
フロイド「ふーん……じゃあオレも付いてく~♪」
『…暇ですよ?たぶん』
フロイド「大丈夫~」
『?』
―――図書館―――
『これと…これ…これも……ん…届かない…』
フロイド「はい、これ?」
『あ、ありがとうございます…』
フロイド「こんなたくさん読むの~?」
『はい、元の世界に帰るヒントも探さなきゃいけませんし…』
フロイド「ふーん…」
席について本を開く
『………』
フロイド「………」
1冊読み終わり、また1冊
取ってきた本を全て読み終わった
『ふう……ヒントは無し…か…』
隣に目をやるとずっとを見つめるフロイドが
『すみません、集中しちゃって……暇でしたよね』
フロイド「んーん、小エビちゃんの横顔ずーっと見てたから楽しかったよ~♪」
『えっ』
フロイド「悩んだり~、眉間にシワ寄せたり~、面白かった~」
『あんまり見ないでください…恥ずかしいので…』
フロイド「そう?オレは好きだよ~?」
『…っ』
また、心臓がぎゅうってなる