第6章 シニカル【傭兵】
×××
40分になり、私はナワーブの部屋の扉の前に待機していた。
ノックを3回すると、開けられたドア。
「中入れ。」
そう言われ中に入り後ろから着いてくるナワーブ。
ドアの閉まる音がした。
私は知らなかった_その音と同時にこっそり部屋の鍵を閉めるナワーブに。
近くのソファに座った。
ナワーブはそのソファの下の床に胡座をかいていた。
少しだけ無言の時間が出来る。
「で、話って何」
先に口出したのはナワーブからだった。
『……………別れて欲しい。』
私の目線からではナワーブの顔は見えない。
『理由なんて言わなくてもわかるよね』
『伝えたいことは以上だから、じゃ。』
私はさっさと伝えて、ソファから立ち上がり部屋の扉の前まで歩いた。
ナワーブの様子なんて1度も見ずに前の扉だけを見つめてこういった。
『マーサとお幸せに、私も別の人と幸せになるから。』
扉のノブを捻り前に力を押した。