第5章 嫉妬に溺れる【探鉱者】
×××
部屋に帰ってる途中で話し声が聞こえた。
「ねぇ、昨日から私の口紅無くなったんだけど、何処にあると思う?」
「うーん、昨日はどこに居たの?」
「昨日は、彼氏の部屋に居て…あっ…彼氏の部屋にあるかも!」
「え?彼氏居たの!?誰誰々!?」
「昨日、告白してOK貰ったんだ!ノートンだよ!」
『ッッッッ……』
そこに居たのは、調香師のウィラさんが幸せそうに話していた。
『なんだ…好きな人居たんだ…勝手に妄想してて恥ずかしいじゃん私…』
自分の部屋に着いた…先程とは違い気分はダダ下がりになっていた。
鼻水の啜る音が部屋に響く。
私の恋って呆気なかったな……
はぁ…………どうしてこんなに胸が苦しいんだろ……あの二人はお似合いだから応援するんだ私!!
諦めて別の恋に移る事にしよう。
明日からはあんまり話さないようにして、必要最低限の会話だけすることにすればいいんだ。