第4章 身体は口ほど素直 【墓守】
幾ら身動きが取れなくても口は達者に動かせる。
『やめ…!はな…して!』
抵抗しても無駄だと分かっても苦手な人を前にこんな近くに寄られると不快感でしかない。
それでも媚薬のせいで不快感よりも勝ってしまう欲があった。
『ねぇ…!おねが、いだからっ……!』
自然と涙が溢れる。
金色の瞳から流れ出した涙は彼から見たらただの誘いにしか見えない程そそるものがあった。
ア「……っ…」
嫌がる姿を見るのは悪くないという目で私を見ている気がする。
すると、彼の顔が近づいてくる。
私は必死に抵抗しようと顔を左右に動かして、キスさせるまい!と抵抗してみたが無駄な足掻きだった。
『…っ…んっ!……ん゛〜!!』
長いキスを続けていた。
時々、私の唇を優しく噛まれる。
それが、「気持ちいい」と思ってしまった。
息の仕方を知っているはずなのに、心臓の音がやけにうるさくて、自然と息をするのを忘れていた。