第3章 好奇心は時には狼を見せる 【囚人】
さすがに焦りを感じて、無理やりにでも出ようと眠っているルカを気にせず大きな音で扉を開けようとした。
その時、背後から両手が私の肩を掴んでぐるっと押してきた。
思わず、目を閉じた。
次に目を開けた時、天井とルカの顔が見えた。
『………ルカ……さん……??』
ルカの息遣いは荒かった。
ル「はぁ…はぁ…ルイス君…あのケーキか飲み物に何かしたのかい?」
彼は余裕そうな顔をしていたが、余裕では無いはずだ。
なんたって理性がギリギリ保たれている状態での、好いている女が目の前にいるのだから。
今すぐにでも襲いたいはずだ。
ドロドロに溶かして、彼以外を感じさせないほどの快楽を与えたいと思っている程だった。
『………それは………』
ルイスは気まづそうに目を逸らした。
ル「だめだよ。ちゃんと私の目を見て答えて。」
彼の右手は私の両手をまとめて掴んでいて、もう片方の空いた手で私の顎を優しく掴んで振り向かせた。