第3章 好奇心は時には狼を見せる 【囚人】
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さて、私がメモを残し部屋に戻ってから軽く3時間は越えたと思う。
ルカは起きて、あのケーキを食べたのかな…紅茶も飲んだのかな…
気になりだした私はルカの部屋に向かった。
ルカの部屋の前まで来た私、その時の時間は15時半ぐらいだった。
部屋の鍵は相変わらず開いており、ノックせずにこっそり部屋を覗いた。
そこにはベットで眠るルカの姿が目に入った。
あれ?まだ寝てるのかな…
私は部屋の中に入り足音を立てずに、ケーキを置いたはずの机まで向かった。
確かにケーキは無かった。
飲み物も無くなっていた。
僅かにメモが握りしめられた後がありくしゃくしゃになっていた。
チラッとルカの方を見ると普通に眠っているように見える。
『……ルカ……?』
そう耳元で囁いた時、扉の閉まる音が聞こえた。
『えっ…?』
扉が閉まるだけだったら良かったが、鍵まで閉まる音が聞こえた。
私は慌ててルカの部屋から出ようとしたが、内側から鍵をかけてるはずなのに鍵の場所が見当たらず、開かない。