第9章 ヒステリックナイト【納棺師】
私が教わってきたのは、暗殺だけ。
苦しい、悲しいや嬉しい…楽しいとか…そんなのまだ習った覚えなんてない。
この暗殺力だけが私の生きがいだった。
両親も居ない私に教えられたのは人を愛するよりも殺すことだった。
だから、いくら同じ荘園に居る人でも私は容赦なく業務をこなすだけ。
『分かりました。1週間以内にはいなくなっていることでしょう。』
ウ「頼んだわよ。」
そう言って白く儚く今にも消えてしまいそうな彼女は、再び森の奥へと消えていった。
それを見つめていた。
『A secret makes a woman woman.』
暗い森の中で響く声に彼女は気づかない。
まずは明日、納棺師の姿を確認する所から始めよう。
同じ荘園となると、暗殺するには消灯時間を過ぎて完全に皆が眠り深い状態になっていないと意味が無い。