第9章 ヒステリックナイト【納棺師】
×××
?「最近ね、このエウリュディケ荘園の中に吸血鬼が紛れてるらしいの。」
?「それって本当なの?」
?「分からないけど、この荘園にはいろんな人が居るからさ…」
まぁ、確かにこの荘園には独特な役職を持った人がうじゃうじゃと居るのは事実だ。
でも、幾らそんな人たちが居るからって御伽噺でも読んでるのか?
そんな存在もしない吸血鬼にキャーキャー言っている脳天気な奴らだと、その時の私は思っていた。
この荘園での私の扱いは、特に酷くもなく、関わりもなく、かと言って孤立している訳でもない。
何人かの人達と少し話をして、深くは鑑賞しない。
広く浅くと言った所だろうか。
万が一暗殺をしている事がバレたとしても…私自身が傷つかないで済むだろう?
もう、人に関わることに疲れたんだ。
私は私の中で生きていく。